SBI証券のiDeCoアンケート調査(2017年)と2024年以降の制度改正まとめ

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、自分で掛金を拠出・運用しながら老後資産を積み立てる制度です。掛金全額が所得控除・運用益が非課税・受取時も控除が使える三重の税制優遇により、老後の備えとして広く活用されるようになっています。
2017年1月の制度改正で対象者が大きく広がり、その後も2022年・2024年と重要な改正が続いています。特に2024年12月の改正では、会社員の加入時に必要だった「事業主証明書」の提出が廃止され、手続きが大幅に簡素化されました。
目次
◆ アンケート調査の概要(2017年7月実施)
SBI証券が2017年7月、個人投資家821名を対象にiDeCoに関するアンケート調査を実施しました。投資意識の高い層を対象とした調査ですが、当時のiDeCo利用実態と課題を示した記録です。
調査期間:2017年7月14日(金)〜7月25日(火)/調査対象:個人投資家(821名)/調査方法:インターネット
◆ iDeCoの申込先選びで重視するポイントは?
1位:手数料(93.3%)/2位:豊富な商品ラインナップ(64.6%)/3位:投資情報が充実していること
断トツの1位は「手数料」でした。iDeCoは長期の積立制度のため、毎月の手数料の小さな差が数十年後に数十万円の差になることもあります。長期投資家が手数料を最重視するのは合理的な判断です。
◆ 困ったことは?
1位:加入手続きに時間が掛かる(64.1%)/2位:書類の記載事項が難しい(33.7%)/3位:加入後の運用商品の選び方(15.4%)
6割超が「手続きに時間がかかる」を挙げていました。当時は会社員がiDeCoに加入する際、職場に「事業主証明書」を作成してもらう必要があり、数週間〜1か月以上かかるケースもありました。この問題は2024年12月の制度改正で事業主証明書が廃止され、解消されています。
◆ iDeCoを利用していない理由
第1位:制度がよく分からない(28.0%)
制度改正直後の2017年は認知度が低い状況でしたが、その後は普及が進み、2024年度末時点の加入者数は1,000万人を超えています。
2017年以降の主なiDeCo制度改正
2022年5月:加入可能年齢が65歳未満に引き上げ
2022年5月の改正により、iDeCoの加入可能年齢が60歳未満から65歳未満に引き上げられました。60〜64歳で厚生年金に加入して働き続けている方や、国民年金に任意加入している方も加入できるようになっています。
2022年10月:企業型DC加入者も原則利用可能に
2022年10月の改正で、企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している会社員も原則としてiDeCoに加入できるようになりました(一定の条件あり)。これまでは企業型DCに加入していると、ほとんどの場合iDeCoを利用できませんでしたが、この改正で対象者が大幅に拡大されています。
2024年12月:手続き大幅簡素化+拠出限度額の引き上げ
2024年12月の改正で、会社員がiDeCoに加入する際に必要だった事業主証明書の提出が廃止されました。職場に書類を作成してもらう手続きが不要となり、自分だけで手続きを完了できるようになっています。2017年のアンケートで64.1%が「困った」と答えた問題が、制度側で解決された形です。
また、確定給付企業年金(DB)などに加入している会社員の拠出限度額が月額1万2,000円から最大月額2万円に引き上げられました(iDeCoと企業年金の掛金合計が月額5.5万円を超えない範囲)。
2026〜2027年:さらなる拡充が予定
2026年12月・2027年1月には拠出限度額の大幅な引き上げが予定されています。企業年金のない会社員・公務員(第2号被保険者)の限度額は現行の月額2万3,000円から月額6万2,000円に引き上げ予定です。また加入可能年齢が65歳未満から70歳未満に引き上げ予定です(2026年12月施行予定)。詳細は厚生労働省やiDeCo公式サイトの最新情報をご確認ください。
iDeCoに関するよくある質問
- Q. 現在(2026年6月時点)iDeCoに加入できるのはどんな人ですか?
- 国内居住の65歳未満で国民年金の被保険者であれば、原則として加入できます(自営業者・会社員・公務員・専業主婦(夫)など)。ただし企業年金の種類や加入状況によって拠出限度額が異なります。
- Q. 月々いくらから始められますか?
- 月額5,000円から1,000円単位で設定できます。企業年金のない会社員の拠出限度額は月2万3,000円です(2026年以降に引き上げ予定)。
- Q. 途中で引き出せますか?
- 原則として60歳(加入期間が10年未満の場合は最長65歳)になるまで引き出しができません。老後資金として長期で積み立てる制度ですので、引き出せないことを前提に掛金額を設定することが大切です。
- Q. 最初はどんな運用商品を選べばいいですか?
- 投資に慣れていない方は、まず「定期預金」(元本確保型)で始め、慣れてから投資信託に配分変更するのも一つの方法です。後から運用先を変更することができます。
当サイトでもこちらの記事でiDeCoの活用方法を紹介したり、iDeCo手数料比較もしていますのでご参考ください。掛金全額が所得控除になるため、税率が高い方ほど節税効果が大きくなります。まずは少額から始めてみることをおすすめします。















