定期預金の選び方|後悔しない7つのポイントを専門家が解説【2026年最新】

定期預金は、預け入れる「金額」「期間」「金利」をあらかじめ決めて預ける、元本保証の預金です。普通預金より高めの金利がつき、預金保険(ペイオフ)の対象でもあるため、当面使う予定のない余裕資金を、安全に、少しでも有利に置いておく用途に向いています。ただし金利の高さだけで選ぶと、中途解約や満期後の扱いで思わぬ差が出ることもあります。ここでは、定期預金選びで確認したい7つのポイントを、2026年の金利環境をふまえて整理します。

目次

定期預金とは?普通預金との違い

まず、普通預金と定期預金の基本的な違いを整理しておきましょう。どちらも円預金は元本保証で、預金保険の対象という点は共通です。

比較の観点 普通預金 定期預金
預入期間 満期はなく、いつでも預け入れ・引き出しが自由 1ヵ月〜5年などの満期を設定。原則として満期まで引き出さない
金利 低め(いつでも変動) 普通預金より高め(預入時の金利で確定するのが一般的)
引き出し 自由 中途解約は可能だが、金利が下がる(後述)
元本保証 あり(円預金) あり(円預金)
預金保険 円普通・円定期の合算で、1金融機関1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護
向いている資金 日常の生活資金・すぐ動かすお金 当面使う予定のない余裕資金

【2026年7月時点】定期預金をとりまく金利環境

2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、日銀は段階的に利上げを進めています。2026年6月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%から1.0%程度へ引き上げ、これは1995年以来およそ31年ぶりの高水準となりました。これに伴い、銀行の預金金利も上昇傾向が続いています。

かつて「預けてもほとんど増えない」と言われたメガバンクの定期預金でも、1年ものの店頭表示金利が年0.4%前後(税引前)まで戻ってきました。さらにネット銀行や一部の地方銀行では、期間限定のキャンペーンで1年もの年1%を超える例もみられます。ただし金利は各行・時期によって大きく異なり、頻繁に改定されます。実際に預け入れる際は、必ず各金融機関の公式サイトで最新の金利・条件をご確認ください。

定期預金の選び方7つのポイント

定期預金はシンプルな商品ですが、金利の数字だけでなく次の7点をそろえて比較すると、預けたあとの後悔を防げます。

① 金利(税引前・税引後と「時点」を確認する)

定期預金を比較するとき、まず確認するのが金利です。一般に1ヵ月〜5年の預入期間ごとに金利が定められ、なかでも1年ものが人気です。表示は税引前が基本で、実際の手取りは税金(20.315%)を引いた税引後になります。金利は各行が随時改定するため、「◯年◯月時点」という時点とセットで確認し、比較するときは同じ預入期間・同じ条件でそろえましょう。

② 預入期間(満期までは資金が拘束される)

定期預金には満期があり、原則として満期まで引き出せません。使う予定の時期に合わせて期間を選ぶのが基本です。利上げが続く局面では、短めの期間で預けて満期ごとに金利を見直す考え方と、長めの期間で今の金利を確保する考え方の両方があります。どちらが有利かは金利動向次第で断定できないため、使う時期の見通しを軸に判断しましょう。

③ 中途解約利率(見落としやすい最重要ポイント)

満期前に解約すると、契約時の金利ではなく中途解約利率(期限前解約利率)が適用され、受け取れる利息が大きく下がります。たとえば三菱UFJ銀行のスーパー定期では、中途解約時に預入時の店頭表示利率の70%程度が適用されるなど、各行で扱いが定められています。せっかくの高金利も途中で解約すると活かせないため、満期まで置いておける資金で預け入れることが大切です。

④ 預入金額(最低預入額・上限を確認)

預け入れできる金額にも注意します。1円以上1円単位で預けられるネット銀行がある一方、最低◯万円からの商品や、上限が定められている商品もあります。検討している金額が最低預入額以上・上限以下に収まっているかを確認しましょう。まとまった金額のほうが利息のメリットは実感しやすくなります。

⑤ 満期後の扱い(自動継続の3タイプ)

意外と見落としがちなのが、満期を迎えた後の扱いです。主に次の3タイプがあり、預入時に選びます。

  • 元利自動継続:元本と利息を合わせて、同じ期間の定期預金に自動で預け替える(複利効果が期待できる)
  • 元金自動継続:利息は普通預金に受け取り、元本のみを同じ期間で預け替える
  • 満期自動解約(自動解約):満期日に元本と利息を普通預金へ払い戻す

自動継続を選ぶと、継続時には満期日時点の通常金利が適用されます。つまりキャンペーンの特別金利は満期後は続かないため、満期のたびに条件を見直すのがおすすめです。

⑥ キャンペーン・特別金利(条件と期間を必ず確認)

ネット銀行などは、通常より高いキャンペーン金利を実施することがあります。ただし「新規口座開設者限定」「エントリー要否」「対象期間」「最低預入額」などの条件が付き、満期後は通常金利に戻るのが一般的です。金利の数字だけでなく、適用条件と受付期間まで確認してから預け入れましょう。

⑦ 預金保険(ペイオフ)と預け先の分散

円定期預金は元本保証で、預金保険制度(ペイオフ)の対象です。万一預け先が破綻しても、円普通・円定期の合算で1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息が保護されます(決済用預金は全額保護)。1,000万円を超えるまとまった資金は、複数の金融機関に分けて預けると、それぞれで保護対象にできます。

選び方の7ポイント早見表

比較の観点 見るポイント 備考
金利 税引前/税引後・時点・同一期間で比較 1年ものが人気。頻繁に改定される
預入期間 使う時期に合わせる 利上げ局面は期間分散も一案
中途解約利率 途中解約時にいくらになるか 店頭金利の70%程度など。大きく下がる
預入金額 最低預入額・上限 1円単位のネット銀行もある
満期後の扱い 元利継続/元金継続/自動解約 継続時は満期時点の金利
キャンペーン 条件・受付期間・対象者 満期後は通常金利へ
預金保険 1,000万円+利息まで保護 超過分は複数行に分散

定期預金の利息にかかる税金(20.315%)と税引後の目安

定期預金の利息には、20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+地方税5%)が源泉徴収されます。復興特別所得税は2037年12月末までの上乗せです。つまり手取りは、利息の約79.685%(=利息×約0.79685)が目安になります。以下は預入額・金利水準別に、1年間預けた場合の利息(税引前)と税引後のおおよその金額です。

預入額(1年) 金利(税引前) 利息(税引前) 税引後(概算)
100万円 0.40% 4,000円 約3,187円
1.00% 10,000円 約7,969円
1.20% 12,000円 約9,562円
500万円 0.40% 20,000円 約15,937円
1.00% 50,000円 約39,843円
1.20% 60,000円 約47,811円

※あくまで概算です。実際には預入日・満期日・日割り計算などにより異なります。最新の金利は各行公式でご確認ください。

ネット銀行と店舗型銀行、どちらを選ぶ?

定期預金の預け先は、大きくネット銀行と店舗型銀行(メガバンク・地方銀行・信用金庫など)に分けられます。それぞれの特徴を整理します。

観点 ネット銀行 店舗型銀行
金利 高めの傾向。キャンペーンも積極的 控えめな傾向(地域・記念キャンペーンあり)
手数料 条件を満たすとATM・振込が無料枠あり 店舗網が広い。無料条件は行により様々
手続き・相談 ネットで完結。対面相談は基本なし 窓口で対面相談ができる
向いている人 金利重視で、自分で手続きできる人 対面で相談したい人・地域の特典を重視する人

なかにはSBI新生銀行のように、店舗とオンラインの両方に対応し、SBIハイパー預金を通じてSBI証券との資金移動を自動化できる銀行もあります。金利だけでなく、普段の使い勝手(手数料の無料回数など)もあわせて選ぶと、実質的な手取りを増やしやすくなります。

金額・目的別の預け先の考え方

お金は「使う時期」で色分けすると、預け先を選びやすくなります。

  • 生活防衛資金(生活費の半年〜1年分):急な出費に備え、すぐ動かせる普通預金を中心に。定期に入れるなら短期で。
  • 使う予定のある資金(教育費・住宅頭金など):使う時期に満期を合わせて預けると、金利を活かしつつ計画的に貯められます。
  • 退職金・まとまった余裕資金:ペイオフの1,000万円を意識し、必要に応じて複数の金融機関に分散を。退職金向けの特別プランを用意する銀行もあります。

まとまった1,000万円をどこに預けるかは、ペイオフの保護範囲と金利のバランスで考えるのが基本です。

定期預金のメリット・デメリット

メリット デメリット・注意点
元本保証で、預金保険(1,000万円+利息)の対象 満期まで資金が拘束される(中途解約で金利が下がる)
普通預金より高い金利で計画的に貯められる 金利がインフレ率を下回ると、実質的な価値が目減りする可能性
預入時に金利が確定し、値動きに一喜一憂しない 大きく増やす商品ではない

定期預金は「大きく増やす」よりも、守りながら少しでも有利に置いておくための商品です。将来に向けてお金を増やす部分は、NISAなどの投資と役割を分ける考え方もあります(投資には元本割れのリスクがあるため、目的に応じて使い分けましょう)。

よくある質問(FAQ)

Q. 定期預金は途中で引き出せますか?
A. 中途解約は可能ですが、契約時の金利ではなく中途解約利率(通常より低い水準)が適用されます。満期まで置ける資金で預け入れるのがおすすめです。

Q. 1年ものと5年もの、どちらがよいですか?
A. 使う時期と金利の見通し次第です。利上げ局面では、期間を分けて預けて満期ごとに見直すのも有効です。

Q. 1,000万円を超える資金はどう預ければいい?
A. ペイオフで保護されるのは1金融機関あたり元本1,000万円+利息までです。超える分は複数の金融機関に分散すると、それぞれで保護対象にできます。

Q. キャンペーンの特別金利は満期後も続きますか?
A. 続きません。満期後は通常金利に戻り、自動継続の場合は満期日時点の金利が適用されます。満期のたびに条件を見直しましょう。

Q. 利息にかかる税金はどれくらい?
A. 20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+地方税5%)が源泉徴収されます。手取りは利息の約79.685%が目安です。

まとめ:定期預金選びのポイント

定期預金はシンプルな商品ですが、①金利は時点と税引後で見る ②預入期間は使う時期に合わせる ③中途解約利率を確認する ④満期後の扱い(自動継続の種類)を決める ⑤キャンペーンは条件と期間を確認する ⑥ペイオフ1,000万円を意識して分散する——この視点でそろえて比較すると、預けたあとの後悔を防げます。2026年は利上げで金利が上昇し、選択肢が広がっている一方、キャンペーンは条件・期間つきです。最新の金利と条件は必ず各行の公式サイトでご確認ください。

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