定期預金の選び方|金利・満期・解約で後悔しない7つの確認点

定期預金は、金利の数字だけで選ぶと中途解約や満期後の扱いで差が出ます。比べる項目は金利(税引前・税引後と時点)、預入期間、中途解約利率、預入金額、満期後の扱い、キャンペーン条件、預金保険の範囲の7つです。

2026年10月時点では日銀の利上げを受けて預金金利が上がり、メガバンクの1年ものは年0.500%(税引前)です。通販型の定期預金には1年で年1%を超える商品もあり、条件をそろえて比べると差がはっきりします。

定期預金と普通預金の違いは満期と金利の決まり方

どちらも円預金は元本保証で、預金保険の対象です。違いは満期の有無と、金利がいつ決まるかにあります。

比較の観点 普通預金 定期預金
預入期間 満期はなく、いつでも預け入れ・引き出しが自由 1ヵ月〜10年などの満期を設定。原則として満期まで引き出さない
金利 低め(随時変わる) 普通預金より高め(預入時の金利が満期まで続くのが一般的)
引き出し 自由 中途解約は可能。ただし金利が下がる(後述)
元本保証 あり(円預金) あり(円預金)
預金保険 利息のつく円預金は合算で、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護
向いている資金 日常の生活資金・すぐ動かすお金 当面使う予定のない余裕資金

2026年10月時点の金利環境は政策金利1.25%程度

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.0%程度から1.25%程度へ引き上げました。6月に続く利上げで、約31年ぶりの水準です(日本銀行 金融政策に関する決定事項等)。

預金金利もこの流れに沿って動いています。三菱UFJ銀行のスーパー定期は2026年8月3日の改定で、1年もの年0.500%、5年もの年1.000%(税引前)です。同行の普通預金は11月2日から年0.500%に改定されます。

差が大きいのはネット銀行や通販型の定期預金です。オリックス銀行のダイレクト預金は2026年10月1日現在、1年もの年1.41%(100万円以上・税引前)でした。

同じ1年ものでもメガバンクとの差は年0.9ポイントほどあり、金利は随時改定されるため、比べるときは時点をそろえます。

定期預金の選び方7つのポイント

定期預金は仕組みが単純な分、確認する項目を先に決めておくと比べやすくなります。次の7点を同じ条件でそろえます。

① 金利は税引前・税引後と時点をそろえて比べる

金利は1ヵ月〜10年などの預入期間ごとに決まり、よく比べられるのは1年ものです。表示は税引前が基本で、手取りは20.315%の税金を引いた税引後になります。

各行が金利を随時改定するため、比べるときは時点・預入期間・最低預入額をそろえ、(年0.500%・1年・300万円未満・税引前)のように条件ごと書き出すと差が見えます。

② 預入期間は使う時期から決める

定期預金は、原則として満期まで引き出さない前提の預金です。期間は、そのお金を使う予定の時期に合わせて選びます。

利上げが続く局面では、短めに預けて満期ごとに金利を見直す方法があります。長めに預けて今の金利を確保する方法もあり、どちらが得かは事前には分かりません。

③ 中途解約利率を契約前に確認する

満期前に解約すると、契約時の金利の代わりに中途解約利率(期限前解約利率)が使われ、利息が大きく減ります。

三菱UFJ銀行のスーパー定期では、経過期間に応じた預入日の店頭表示利率に70%を掛けた利率が基本です。6か月未満は解約日の普通預金利率で、それ以外も普通預金利率を下回らない定めがあります。

計算方法は銀行ごとに違い、高い金利も途中で解約すると活かせないため、満期まで置ける資金で預けます。仕組みは定期預金の中途解約利率と利息が減る仕組みで詳しく整理しています。

④ 最低預入額と金額の区分を確かめる

1円以上1円単位で預けられるネット銀行がある一方、100万円以上や300万円以上で金利が上がる商品もあります。

金額の区分で金利が変わる商品は、預ける額が区分の境目のどちら側かで適用金利が変わります。最低預入額と上限の範囲に入るかも、先に確認します。

⑤ 満期後の扱い(自動継続の3タイプ)を選んでおく

満期後の扱いは預入時に選ぶもので、主な選び方は次の3つです。

  • 元利自動継続は、元本と利息を合わせて同じ期間の定期預金に預け替えます(利息にも利息がつきます)。
  • 元金自動継続は、利息を普通預金で受け取り、元本だけを同じ期間で預け替えます。
  • 満期自動解約は、満期日に元本と利息を普通預金へ払い戻します。

自動継続では、継続日の通常金利が適用されます。キャンペーンの特別金利は満期後に続かないため、満期日の前に条件を見直します。

⑥ キャンペーン金利は条件と期間まで読む

ネット銀行などは、通常より高いキャンペーン金利を出すことがあります。多くは新規口座の開設者限定、エントリー必須、受付期間や預入額の上限といった条件付きです。

満期後は通常金利に戻るのが一般的です。金利の数字と一緒に、対象者・受付期間・特別金利が続く期間(3か月、6か月など)を確認してから預けます。

⑦ 預金保険(ペイオフ)の範囲で預け先を分ける

円定期預金は預金保険の対象です。預け先が破綻しても、1金融機関ごとに合算して預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます(預金保険機構「保護の範囲」)。

1,000万円を超える部分や外貨預金は、破綻した銀行の財産状況に応じた支払いになり、一部がカットされることがあります。まとまった資金は複数の金融機関に分けると、それぞれで保護の対象になります。

合併した銀行には特例があり、合併後1年間に限って保護の上限が関わった行の数に応じて増えます(2行の合併なら2,000万円と利息等)。

選び方の7項目早見表

比較の観点 見るところ 備考
金利 税引前/税引後・時点・同じ期間で比較 1年ものが比較の基準。随時改定される
預入期間 使う時期に合わせる 利上げ局面は期間を分ける方法もある
中途解約利率 途中解約時の利率 店頭表示利率の70%など(行により異なる)
預入金額 最低預入額・金額の区分 1円単位〜100万円以上など
満期後の扱い 元利継続/元金継続/自動解約 継続時は継続日の通常金利
キャンペーン 対象者・受付期間・適用期間 満期後は通常金利へ
預金保険 元本1,000万円+利息等まで保護 超える分は複数行に分散

定期預金の利息にかかる税金(20.315%)と税引後の目安

定期預金の利息からは20.315%が源泉徴収されます。内訳は所得税と復興特別所得税で15.315%、住民税で5%です(国税庁 タックスアンサーNo.1310)。

復興特別所得税は、2037年12月31日までに受け取る利子が対象です。2027年分からは所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税の区分に変わりますが、合計の税率は変わりません。

下の表は、1年預けた場合の利息(税引前)と税引後の金額です。金利はメガバンクの1年ものと同じ年0.50%、年1.00%、年1.40%の3段階で計算しました。

預入額(1年) 金利(税引前) 利息(税引前) 税引後
100万円 0.50% 5,000円 3,985円
1.00% 10,000円 7,969円
1.40% 14,000円 11,156円
500万円 0.50% 25,000円 19,922円
1.00% 50,000円 39,843円
1.40% 70,000円 55,780円

※所得税・復興特別所得税と住民税を、それぞれ円未満切り捨てで計算しています。預入日数や利払いの方法によって、実際の金額は変わります。

ネット銀行と店舗型銀行の違いは金利と相談のしやすさ

定期預金の預け先は、ネット銀行と店舗型銀行(メガバンク・地方銀行・信用金庫など)に分けられます。それぞれの特徴は次のとおりです。

観点 ネット銀行 店舗型銀行
金利 高めの傾向。キャンペーンも多い 控えめな傾向(地域・記念キャンペーンあり)
手数料 条件を満たすとATM・振込の無料枠あり 店舗網が広い。無料条件は行により様々
手続き・相談 ネットで完結。対面相談は基本なし 窓口で対面相談ができる
向いている人 金利を重視し、自分で手続きできる人 対面で相談したい人・地域の特典を重視する人

店舗とインターネットの両方で取引できる銀行もあります。手数料の無料回数や、証券口座との資金移動のしやすさも、預け先を決める材料になります。

使う時期で分けると預け先が決まる

手元のお金を使う時期で分けると、それぞれに合う預け先を選びやすくなります。

  • 生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)は、すぐ引き出せる普通預金を中心にします。定期に入れるなら短い期間にします。
  • 使う予定がある資金(教育費・住宅の頭金など)は、使う時期に満期を合わせて預けます。
  • 退職金などまとまった余裕資金は、1,000万円の保護範囲を目安に複数の金融機関へ分けます。退職金向けの特別金利は、受取から預入までの期限などの条件付きです。

満期を1年ずつずらす預け方は定期預金のラダリング(満期を1年ずつ分ける預け方)、毎月少しずつ貯める方法は積立定期預金と定期預金の違いで比べています。

定期預金のメリット・デメリット

メリット デメリット・注意点
元本保証で、預金保険(元本1,000万円+利息等)の対象 満期まで資金が拘束される(中途解約で金利が下がる)
普通預金より高い金利で計画的に貯められる 金利が物価上昇率を下回ると、実質的な価値が目減りする可能性
預入時に金利が確定し、値動きがない 大きく増やす商品ではない

定期預金は、元本を守りながら普通預金より高い金利で置いておくための預金です。増やす部分はNISAなどの投資と分けて考える方法もあります(投資には元本割れのリスクがあります)。

よくある質問

Q. 定期預金を満期前に解約すると利息はどうなりますか?

A. 解約はできますが、契約時の金利の代わりに中途解約利率が使われます。三菱UFJ銀行のスーパー定期では店頭表示利率の70%が基本で、受け取る利息は大きく減ります。

Q. 利上げが続くときは1年ものと5年もののどちらを選びますか?

A. 使う時期が近ければ短め、先なら長めが基本です。金利の行方は事前に分からないため、資金を1年ものと長期に分けて預ける方法もあります。

Q. 1,000万円を超える資金はどう預ければ保護されますか?

A. 預金保険の保護は、1金融機関ごとに元本1,000万円と破綻日までの利息等までです。超える分を別の金融機関に預けると、それぞれで保護の対象になります。

Q. 自動継続にするとキャンペーン金利は続きますか?

A. 続かず、継続時には継続日の通常金利が適用されます。特別金利で預けた場合は、満期の前に預け替え先を見直します。

Q. 100万円を1年もの年0.50%で預けると手取りはいくらですか?

A. 税引前の利息は5,000円で、20.315%の税金を引いた手取りは3,985円です(1年ちょうど預けた場合の計算)。

まとめ|7つの確認点をそろえて比べる

定期預金は、金利を時点と税引後で見て、預入期間を使う時期に合わせるのが基本です。そのうえで中途解約利率、満期後の扱い、キャンペーンの条件を確認します。

1,000万円を超える資金は、預金保険の範囲で複数の金融機関に分けます。ゆうちょ銀行の定期貯金(1年もの年0.500%・2026年10月5日現在)はゆうちょ銀行の定期貯金の金利と利息で取り上げています。

金利・キャンペーン条件は記載時点のものです。預け入れ前に各行の最新の金利表でご確認ください。

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