【コラム】円だけでなく外貨預金で資産分散|為替手数料の比較

円と外貨で資産を分散するイメージ

※本記事は過去の情報を記録したもので、記載の出来事の当時の名称は「住信SBIネット銀行」です。同行は2026年8月3日に商号が「ドコモSMTBネット銀行」へ変更され、個人向けサービスブランドが「ドコモの銀行」へ刷新される予定のため、本文では現在の呼称「ドコモの銀行」で表記しています。

目次

はじめに

当サイトは円定期預金を比較しているサイトですが、今回のこの記事は定期預金の比較から少しはなれて外貨預金について考えてみたいと思います。私たちは日本に住んでいて日本で生活しているので、円以外のお金を持っていなくても困ることはほとんどありません。海外旅行に行くときも、多少の現金をその国の通貨に換金し、あとはクレジットカードやデビットカード・プリペイドカードで支払えば、日本の銀行口座から引き落とされるのでそれほど困らないでしょう。

※この記事について:本記事は外貨預金の考え方を解説したコラムです。後半の為替手数料の比較表は2017年8月時点の数値で、各行とも手数料・為替コストはその後改定されています。最新の為替手数料・為替コストは必ず各銀行の公式サイトでご確認ください。なお、文中の「新生銀行」は、2023年1月に商号変更し現在は「SBI新生銀行」となっています。

外貨預金の意義

日本は長く低金利が続いており、円の預金金利は低めです(最新の金利水準は時期により変わります)。日本に住んでいれば使うのは円ですから円で資産を持つのが基本ですが、資産の一部を外貨(他の通貨)にしておくことには一定の意義があると考えられます。 短期的な売買は資産運用というより投機に近くなりますが、中長期で保有することを前提にすれば、外貨を持つことには分散の意味があるといえます。下のグラフは、国際決済銀行(BIS)が3年ごとに公表している通貨取引高のシェアを示したもので、青い線が2013年、赤い線が2016年です。 日本円(Yen)は世界第3位を維持していますが、2013年から2016年にかけてシェアを落としていることがわかります。米ドルの優位は変わりませんが、注目したいのは中国・人民元(Chinese Yuan)で、この3年でシェアを伸ばしています。 主要通貨の取引シェア(2013年と2016年の比較)   頭に入れておきたいのは、「日本円」しか持っていないということは、世界で流通する数ある通貨のうち1つの通貨に自分のお金をすべて集中させている状態だということです。日本で生活していると「すべて円で買うのだから円だけあればよい」と考えがちですが、本質的にはそうとも言い切れません。 例えば私たちは、ヨーロッパの車や海外製の商品、輸入されたガソリンを日本で円で買っていますが、それは「誰かが円と外貨を交換して海外から仕入れてくれたもの」を、私たちが円で買っているにすぎません。「円安になれば輸入品の値段が上がり、円高になれば下がる」という話は聞いたことがあると思いますが、日本は輸出入が多い国なので、気づかないうちに私たちは円と外貨を頻繁に交換しているともいえるのです。  

リスクに備える資産運用とは?

それでは、リスクに備える資産運用をどう考えるかに移ります。 自給自足の生活でない限り、海外製のモノを多く購入する生活をしているのに円しか持っていないのは、リスクを分散できていない状態と考えることができます。 少し極端ですが、1つの例で考えてみましょう。 例えば、WTI(原油先物)に連動するETF(上場投資信託)をいくらか保有しているとします。これは原油価格が上がると価値が上がる商品です。その人が毎月1万円〜1万5千円ほどのガソリンを給油する生活をしているとします。ガソリンの国内価格は、原油高や円安で上がりますので、同じ量を入れても支払いが増えてしまうのは経験があるでしょう。 原油先物は一般的にリスクの高い商品とされますが、毎月使うガソリンが値上がりしたときに自分の資産も増える商品を持っていれば、ガソリン代の増加を保有資産の値上がりである程度相殺できることになります。 これはあくまで一例で、やや極端ですが、「円預金」しか持っていない人と「原油高で値上がりする商品を少し持っている人」では、ガソリン価格の変動に対してどちらが備えているといえるでしょうか。明らかに後者です。なお、この例では国内のガソリン価格が下がると毎月のガソリン代は減りますが、保有商品の価値も下がるので、単純に喜べなくなります。リスクを分散するとは、世の中がどちらに動いても「大きく得もしないが大きく損もしない」ように備えることなので、これはやむを得ません。   外貨預金も投資信託も株も、リスクのある商品です。ここでいうリスクとは主に「円建てでの元本割れ」のことですが、前述のとおり円建ての元本割れだけがリスクではありません。円以外の通貨に資産を分けておくことは、さまざまなリスクへの備えにつながるというわけです。  

外貨預金を取引するなら

ここで話を外貨預金に戻しましょう。外貨は色々な方法で持てますが、一般的には銀行の外貨預金口座にお金を移す方法がよく使われます。その際、銀行に「為替手数料」を支払います。例えば「1米ドルあたり◯銭」という形で表示されます。 例えば1米ドル100円で、手数料がなければ1,000円は10米ドルに交換できますが、実際は手数料がかかります。1米ドルあたり10銭の手数料なら、10米ドルで1円の手数料となり、1,000円は約9.99米ドルにしかなりません。差額の1円が手数料です。 外貨預金は為替手数料が安いほど効率的に取引できるので、銀行を選ぶ際はまずこの為替手数料を比較することが大切です。

外貨預金の為替手数料の比較(2017年8月時点)

以下は2017年8月時点の片道為替手数料の一例です。現在は各行とも改定されている可能性が高いため、最新の数値は必ず各行公式でご確認ください。

米ドル ユーロ 豪ドル
三菱UFJ銀行(店頭)1円1円50銭2円
三菱UFJ銀行(ネット)25銭25銭50銭
三井住友銀行(店頭)1円1円40銭2円50銭
三井住友銀行(ネット)50銭70銭1円25銭
みずほ銀行(店頭)1円1円50銭2円50銭
みずほ銀行(ネット)40銭60銭1円
新生銀行(現・SBI新生銀行) 7銭~15銭 20銭~40銭 20銭~40銭
ソニー銀行 8銭~15銭 8銭~15銭 30銭~45銭
ドコモの銀行 4銭 13銭 25銭
楽天銀行 25銭 25銭 45銭
  この時点(2017年8月)ではドコモの銀行の米ドル4銭が目立ちますね。ドコモの銀行は2017年8月10日に為替手数料を大幅に引き下げて外貨預金の利便性を強化しました。また、当時はユーロならソニー銀行、豪ドルなら新生銀行(現・SBI新生銀行)が魅力的な水準でした。メガバンクの為替手数料は、ネット取引でも当時はやや高めでした。※繰り返しになりますが、これらは2017年時点の数値です。現在の手数料は各行公式で必ずご確認ください。 この為替手数料の差がどれくらいのインパクトになるか、当時の数値で試算してみましょう。ここでは1米ドル=110円、1ユーロ=130円、1豪ドル=85円として、100万円を交換した場合の外貨建ての金額を比べます(手数料に幅がある場合は最も低い手数料で計算)。

外貨預金へ交換後の外貨通貨建ての比較(2017年8月時点の試算)

米ドルユーロ豪ドル
三菱UFJ銀行(店頭)9,009.00USD7,604.56EUR11,494.25AUD
三菱UFJ銀行(ネット)9,070.29USD7,677.54EUR11,695.90AUD
三井住友銀行(店頭)9,009.00USD7,610.35EUR11,428.57AUD
三井住友銀行(ネット)9,049.77USD7,651.10EUR11,594.20AUD
みずほ銀行(店頭)9,009.00USD7,604.56EUR11,428.57AUD
みずほ銀行(ネット)9,057.97USD7,656.96EUR11,594.20AUD
新生銀行(現・SBI新生銀行) 9,085.12USD7,680.49EUR11,737.08AUD
ソニー銀行 9,084.30USD7,687.57EUR11,723.32AUD
ドコモの銀行 9,087.60USD7,684.62EUR11,730.20AUD
楽天銀行 9,070.29USD7,677.54EUR11,702.75AUD
  表だけだとわかりにくいので、3通貨ごとに最も有利な手数料と最も不利な手数料を比べ、為替手数料の違いによる目減り額を計算してみます(いずれも2017年時点の数値での試算)。

<米ドル>

計算式 9,087.60USD[ドコモの銀行] − 9,009.00USD[三菱UFJ銀行など] 差額:78.6USD(約8,646円相当)  

<ユーロ>

計算式 7,687.57EUR[ソニー銀行] − 7,604.56EUR[三菱UFJ銀行など] 差額:83.01EUR(約10,791円相当)  

<豪ドル>

計算式 11,737.08AUD[新生銀行(現・SBI新生銀行)] − 11,428.57AUD[三井住友銀行など] 差額:308.51AUD(約26,223円相当)   ※差額は、先ほどの試算と同じく1米ドル110円、1ユーロ130円、1豪ドル85円で円換算したものです(2017年時点)。   このように、100万円をそれぞれの通貨に交換した時点で米ドルでも約8,000円、豪ドルだと約26,000円もの差が生じます。為替手数料の違いは無視できないことがわかります。一般論として、外貨預金を取引するならネット銀行などの為替手数料が低い銀行を選ぶのが効率的です。ただし、ここで挙げた数値はあくまで2017年時点のものですので、実際に取引する際は最新の為替手数料・為替コスト・外貨定期預金の金利・取扱通貨を各行公式で必ず確認してください。 (本来は外貨定期預金の金利や外貨建て商品のラインナップ・商品性なども考える必要がありますが、複雑になるためこのコラムではここまでとします)   ドコモの銀行の口座開設はこちら   ソニー銀行の口座開設はこちら   SBI新生銀行(旧・新生銀行)の口座開設はこちら   ※この記事に掲載している為替手数料・シミュレーションは2017年8月9日時点の情報です。内容の正確性には万全を期していますが、その後の改定を反映していない場合があります。最新の情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。


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