おつり投資・おつり貯金を比較|トラノコ・マメタス・finbee

スマホのアプリでおつりを自動的に貯めるイメージ

買い物の「おつり」を自動で積み立てる「おつり投資」「おつり貯金」は、代表的な3サービスで性格がはっきり分かれます。トラノコは投資信託で運用し月額390円(税込)の固定費+運用報酬 年0.33%、マメタスはロボアドバイザー「ウェルスナビ」で運用し固定費なし+預かり資産の年1.0%(税込1.1%)、finbeeは投資ではなく銀行口座に貯めるだけで、基本機能は無料。増やしたいなら前者2つ、元本を減らしたくないならfinbeeという選び分けになります(2026年9月11日時点・各社公式サイトにて確認)。以下、手数料の設計と落とし穴を順に見ていきます。

「おつり」を貯蓄にまわす考え方自体は古くからあり、500円玉貯金や100円玉貯金がその代表です。1000円札で支払って受け取った500円玉や100円玉を貯金箱に入れる——あの感覚を、スマホアプリと銀行口座・クレジットカードの連携で自動化したのが今回紹介するサービスです。「貯金箱」ではなく「銀行口座」で自動的に貯めたり、「投資」に回したりできるようになりました。

目次

おつり投資・おつり貯金のメリットとは?

自分で計画的にお金を貯められる人には不要ともいえますが、「気が付いたらお金が貯まっていた」という状況を作り出せるのが、これらのサービスを使う一番のメリットです。理想は財形貯蓄や給与天引きのように無意識で貯まる仕組みですが、それに次ぐ”仕掛け”として、買い物をきっかけに少しずつ貯める・投資するルールを作れます。「ランチを安くできた分が自動的に貯蓄・投資される」と考えると、節約の窮屈さだけでなく楽しさも感じられます。“何かのついで”・”無意識”・”楽しさ”が、おつり投資・おつり貯金の魅力といえるでしょう。

ただし、「おつり投資」と「おつり貯金」は中身が大きく異なります。投資(トラノコ・マメタス)は値動きのある資産で運用するため元本割れの可能性があります。一方、おつり貯金(finbee)は銀行の預金口座にお金を移していくだけなので元本割れはなく、預金保険(ペイオフ)の保護対象です。増やしたいなら投資、減らしたくないなら貯金と、目的に応じて使い分けましょう。

マメタス・トラノコ・finbee(フィンビー)徹底比較

サービスタイプ主な手数料元本保証
トラノコおつり投資(投資信託)月額390円+運用報酬 年0.33%
出金1回につき300円
なし(値動きあり)
マメタスおつり投資(ロボアド)月額無料/運用報酬 年1.0%(税込1.1%)なし(値動きあり)
finbeeおつり貯金(銀行預金)基本機能は無料
(有料プラン finbee+ は月額300円〜)
あり(預金・ペイオフ対象)

※2026年9月11日時点・各社公式サイトにて確認。手数料はいずれも総額表示(税込)です。

※本記事の「ドコモの銀行」は旧・住信SBIネット銀行です。2026年8月3日に商号が「ドコモSMTBネット銀行」へ変更され、個人向けサービスブランドが「ドコモの銀行」へ刷新されました(商品・サービス内容に変更はないと案内されています)。各サービスの公式サイトでは、旧行名のまま案内されている場合があります。

トラノコ

トラノコは投資信託で運用する「おつり投資」サービスで、運営はTORANOTEC投信投資顧問株式会社です。事前に登録したクレジットカード等での買い物の”おつり”を、自動的に(都度選択も可)投資に回します。最小5円から投資でき、リスク許容度に応じた3種類の「トラノコファンド」から選ぶだけで、世界の株式・債券などへ分散投資できます。おつりの計算単位は100円・500円・1000円から選べます。

手数料は、月額利用料390円と、預かり資産に対する運用報酬 年0.33%です。見落とされやすいのが出金手数料で、1回につき300円が出金額から差し引かれます。また当初3か月間は月額利用料が無料、22歳以下の学生は月額無料の「トラノコ学割」もあります(トラノコ公式「利用料」で確認)。運用報酬0.33%は投資信託としては低水準ですが、月額の固定費があるため、おつり程度の少額だけだと割高に感じやすく、ある程度まとまった残高があるほど有利になる料金設計です。公式サイト自身も「投資資金が大きくなるほど相対的にコスト比率が安くなる設計」と説明しています。

サービス提供会社TORANOTEC投信投資顧問株式会社
投資/貯蓄先投資信託(安定重視・バランス重視・リターン重視の3ファンドから選択)
貯蓄・投資タイミング登録したクレジットカード等での買い物時(積立・ポイント・マイルにも対応。毎月1回まとめて投資)
月額利用料390円(税込)※当初3か月は無料/22歳以下の学生は無料
販売手数料無料
出金手数料300円(税込)/回
運用報酬預かり資産に対して年0.33%(ほかに監査費用・売買委託手数料・有価証券取引税等)

また、おつりだけでなくポイントやマイルでの投資にも対応を広げており(ANAマイレージクラブと提携したマイル投資など)、2025年7月には任意のタイミングでファンドを購入できる「トラノコPLUS」も始まっています。NISA(トラノコNISA)にも対応していますが、取り扱いは「成長投資枠」のみで、つみたて投資枠は利用できません。公式サイトも「つみたて投資枠」対象商品の取り扱いがないためと明記しており、非課税で使えるのは成長投資枠の上限1,200万円までとなります。

マメタス

マメタスは、ロボアドバイザー「ウェルスナビ(WealthNavi)」を提供するウェルスナビ株式会社による「おつり投資」サービスです。特徴は投資先をロボアドバイザーが自動で選んでくれる点。月額費用・販売手数料は無料で、通常の口座の手数料は預かり資産の年1.0%(税込1.1%)、預かり資産全体で3,000万円を超える部分は年0.5%(税込0.55%)です(現金部分を除く)。ウェルスナビ公式の手数料ページおよび公式FAQでは「それ以外の手数料は一切かからない」と案内されています。トラノコの年0.33%より高めですが、銘柄選びから発注・積立・リバランスまですべて自動でおまかせできるのが対価です。

NISA口座を使う場合は手数料の考え方が変わります。ウェルスナビではつみたて投資枠は0%、成長投資枠は年率最大1%(税込1.1%)で、利用状況に応じて全体の手数料率が下がる仕組みです。ただしクイック入金や振込入金を使うと「成長投資枠」だけで買い付けるため、リスク許容度に応じて年率0.7〜1.0%(税込0.77〜1.10%)がかかります。手数料を抑えたいなら自動積立で入金するのが基本です。長期利用者向けの「長期割」で成長投資枠の手数料が年0.6〜0.9%(税込0.66〜0.99%)まで下がる制度もありますが、長期割の対象は「ウェルスナビ」を直接利用している人で、提携サービス(WealthNavi for ◯◯)は対象外と明記されています。

サービス提供会社ウェルスナビ株式会社
投資/貯蓄先ロボアドバイザーによる国際分散投資(ETF)
貯蓄・投資タイミング登録したクレジットカード等での買い物のおつりを計算し、毎月1回まとめて投資
月額利用料無料
販売手数料無料
運用報酬通常の口座は年1.0%(税込1.1%)※3,000万円超の部分は年0.5%(税込0.55%)。NISA口座はつみたて投資枠0%・成長投資枠 最大年1%(税込1.1%)

※マメタスで資産運用を始めるには、ロボアドバイザー「ウェルスナビ」の口座が必要です。公式サイトの案内では、対象はウェルスナビのほか、WealthNavi for 住信SBIネット銀行(現・ドコモSMTBネット銀行)・ソニー銀行・横浜銀行の各口座です。実際に運用が始まるのは、自動積立(マメタス引落口座)を申し込み、1万円以上が入金されてからという点は先に知っておきましょう。おつりが月1万円に届かない月は引き落とされず、最大3か月まで翌月へ繰り越される仕組みです。たとえばドコモの銀行の銀行口座から申し込めます。

finbee(フィンビー)

finbeeを提供する株式会社ネストエッグは、ライブドアやJCB出身の経営陣が立ち上げたフィンテック企業です。このサービスの特徴は「お金を実際には預からない」点。finbeeは連携した銀行口座の中でお金を貯めていくだけで、先の2つと違って「投資」ではなく「貯蓄・貯金」に特化しています。元本割れがなく、銀行預金として預金保険の保護対象になるため、リスクを取りたくない人に向いています。

2025年9月16日から有料プラン「finbee+」が始まっており、「完全無料」ではなくなりました。おつり貯金などの基本機能は引き続き無料で使えますが、作成できる貯金目標は10個までで、アプリ内に広告が表示されます。11個以上の目標を作りたい人や広告を消したい人は、finbee公式のお知らせのとおり有料プランに加入する形になります。

プラン料金(税込)できること
無料(プランなし)0円貯金目標は10個まで・広告表示あり
finbee+ ベーシック月額300円/年額3,000円広告非表示・貯金目標20個まで
finbee+ プレミアム月額500円/年額5,000円広告非表示・貯金目標は無制限

連携できる金融機関は広がっており、公式サイトや各行の案内ではドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)・みずほ銀行・ゆうちょ銀行・千葉銀行・北洋銀行・第四北越銀行・東邦銀行・富山第一銀行などが挙げられています。おつり貯金のほか、毎日の歩数に応じた「歩数貯金」、コツコツ続ける「つみたて貯金」、決めた場所に着いたら貯める「チェックイン貯金」、2026年5月に加わった「クレカ先取り貯金」など、続けやすい仕組みが豊富です。

ひとつ注意したいのが、連携先によって「実際にお金が動くか」が違う点です。公式のお知らせでは、ゆうちょ銀行と連携している場合や「つもり貯金」を設定している場合、finbee上の貯金は架空の貯金(実際の資金移動を伴わない)と説明されています。みずほ銀行連携の場合も、目標を削除しても自動では連携口座に戻らず、貯金用口座から直接引き出す必要があります。「預金として本当に移し替わるのか」は、連携する銀行ごとに確認してから始めましょう。

サービス提供会社株式会社ネストエッグ
投資/貯蓄先連携した銀行(ドコモの銀行・みずほ銀行・ゆうちょ銀行・千葉銀行・北洋銀行など)の預金口座
貯蓄・投資タイミング登録したカードでの買い物のおつり/毎日の歩数/つみたて/チェックイン/クレカ先取り など多彩なルール
月額利用料基本機能は無料(finbee+ は月額300円/500円・税込)
販売手数料無料
運用報酬無料(投資ではなく貯金のため)

※finbeeを利用するには、ドコモの銀行の銀行口座など対応金融機関の口座が必要です。連携できる銀行は増減することがあります。

手数料は「残高がいくらか」で有利不利が逆転する

おつり投資でいちばん誤解されやすいのが手数料です。トラノコは固定費(月額390円)+低い運用報酬、マメタスは固定費なし+高めの運用報酬という正反対の設計なので、預けている残高によって、どちらが安いかが入れ替わります。公表されている料金体系をもとに、年間コストの目安を計算すると次のようになります。

残高別に見たトラノコとマメタスの年間コストの比較棒グラフ。残高60万円前後を境にトラノコのほうが割安になる
残高が60万円前後を超えるとトラノコのほうが割安に(出金手数料・NISAや長期割の割引は含まない概算)

当編集部の試算では、残高がおおむね60万円前後を超えるとトラノコのほうが年間コストが小さくなり、それ以下ではマメタス(通常の口座)のほうが軽くなります。逆にいえば、月に数百円〜数千円のおつりだけを積み上げる使い方では、トラノコの固定費(月額390円=年4,680円)が重くのしかかります。「おつりだけで続けるのか」「積立も併用してまとまった残高にするのか」を先に決めてから選ぶのが失敗しないコツです。

※上記はトラノコ=月額390円×12か月+残高×0.33%、マメタス=残高×1.1%(税込)として当編集部が計算した概算です。トラノコの出金手数料(300円/回)、NISA口座や長期割による割引、運用状況による変動は含みません。

「減らしたくないお金」は定期預金という選択肢も

おつり投資は少額から投資を体験できる一方、元本が保証されるわけではありません。教育費や住宅資金など「使う時期が決まっているお金」「減らしたくないお金」は、預金で持っておくほうが目的に合っています。

預金金利は上昇局面にあり、ゆうちょ銀行は2026年8月10日から貯金金利を引き上げ、定期貯金は1年 年0.500%、5年 年1.000%、10年 年1.250%、通常貯金は年0.400%(いずれも税引前・ゆうちょ銀行 金利一覧の2026年9月7日現在の表示)となりました。期間別の受取利息の目安はゆうちょ銀行の定期貯金の利息シミュレーションで整理しています。ネット銀行の定期預金にはこれを上回る水準のものもあります。

預金の利息には20.315%(国税15.315%〈復興特別所得税を含む〉・地方税5%)が源泉分離課税される点、預金保険で保護されるのは1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息である点をふまえて、預け先を組み合わせるとよいでしょう。非課税で長期に積み立てたいなら、iDeCoで定期預金を選ぶ方法のように、制度側で有利にする道もあります。

よくある質問(FAQ)

Q. おつり投資は元本保証されますか?

A. いいえ。トラノコ・マメタスは投資信託やロボアドバイザーで運用するため、値動きにより元本割れの可能性があります。元本割れを避けたい資金は、銀行預金として貯まるfinbeeや、銀行の定期預金を利用しましょう。

Q. finbeeの利用は無料ですか?

A. おつり貯金などの基本機能は無料ですが、2025年9月16日から有料プラン「finbee+」が導入され、無料で作れる貯金目標は10個まで・広告表示ありとなりました。広告非表示や11個以上の目標が必要な場合は、ベーシック(月額300円・税込)またはプレミアム(月額500円・税込)への加入が必要です。

Q. finbeeの貯金は預金保険(ペイオフ)の対象ですか?

A. 実際に連携銀行の口座へ資金が移る場合は、その銀行の預金として1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息が保護されます。ただしゆうちょ銀行との連携や「つもり貯金」では実際の資金移動を伴わないと公式に案内されているため、連携先ごとの扱いを確認してください。

Q. おつり投資でNISAは使えますか?

A. トラノコには「トラノコNISA」があり、成長投資枠のみ利用できます(つみたて投資枠の対象商品を取り扱っていないため)。マメタスの運用先であるウェルスナビもNISAに対応しており、つみたて投資枠の手数料は0%です。ただしクイック入金・振込入金では成長投資枠のみの買い付けとなり手数料がかかります。

Q. 少額だけ使うならどれが向いていますか?

A. 投資系(トラノコ・マメタス)は月額や運用報酬の負担割合が大きくなりがちです。とくにトラノコは月額390円の固定費と出金手数料300円があるため、数千円だけを出し入れする使い方には向きません。まず「貯める習慣」を作りたいなら無料枠で始められるfinbeeが手軽で、ある程度まとまった金額を投資に回したいならトラノコ・マメタスを検討するとよいでしょう。

まとめ

おつりを使った3サービスを比較しました。投資に回すならトラノコ・マメタス、リスクを取らず銀行預金として貯めるならfinbee、と目的に応じて使い分けるのがポイントです。投資系を選ぶ場合は、手数料の設計(固定費型か、残高比例型か)と自分が置く残高の大きさを必ず突き合わせてください。finbeeも2025年9月から有料プランが加わり、無料で使える範囲に上限ができています。また、まとまった資金を安全に置いておきたい場合は、ネット銀行や大手行の定期預金もあわせて検討するとよいでしょう。

※本記事の手数料・プラン・連携銀行は2026年9月11日に各社公式サイトで確認した内容です。条件は改定されることがあるため、申し込み前に各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。


関連記事


定期預金(1年未満)金利比較ランキング

  1. No.1auじぶん銀行の円定期預金

    auじぶん銀行の定期預金金利【2026年9月】5年1.800…

  2. No.2ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)の定期預金キャンペーン

    ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)の定期預金金利【20…

  3. No.32週間満期預金(SBI新生銀行)

    SBI新生銀行の2週間満期預金と円定期の金利【2026年9月…


おすすめ記事

過去の記事