金利のある時代の預金金利|大手行・国債の今【2026年9月】

預金金利の上昇と堅実な貯蓄をイメージしたイラスト

かつて「歴史的な低金利が続く」と言われた日本の金利環境は、ここ数年で大きく様変わりしました。日本は長く続いたマイナス金利政策を終え、再び「金利のある時代」へと入っています。預金金利も底ばいから上昇へと転じ、いまでは大手行の円定期預金でも預入期間しだいで年1%を超える水準が並びます。本記事では、金利環境がどう変わったのかを振り返りつつ、これからの預け先の考え方を整理します(金利・条件は、とくに断りがない限り2026年9月1日時点で各金融機関の公式サイトを確認した内容です)。

目次

「マイナス金利時代」から「金利のある時代」へ

日本銀行は2016年1月にマイナス金利政策(日銀当座預金の一部にマイナス0.1%)を導入し、その後しばらく超低金利が続きました。住宅ローン金利が過去最低を更新し、銀行の預金金利も大きく引き下げられたのはこの時期です。

しかし潮目は変わりました。日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除(17年ぶりの利上げ)し、その後も段階的に利上げを続けています。2026年6月15日・16日の金融政策決定会合では政策金利(無担保コール翌日物の誘導目標)を1.0%程度へ引き上げ、続く7月30日・31日の会合では金融市場調節方針を変更せず、1.0%程度が維持されました。次回の金融政策決定会合は2026年9月17日・18日に開催が予定されていますが、その結論はまだ何も決まっていません。「上がる」「据え置かれる」といった見通しを前提に預け先を決めるのではなく、いま提示されている条件で比べるのが確実です。最新の金融政策は日本銀行の公表文でご確認ください。

普通預金は年0.001%から年0.400%へ

かつてメガバンクの円普通預金金利は、見事なまでに横並びで年0.001%まで下がっていました。年0.001%では、100万円を1年間預けても受け取れる利息は税引前でわずか10円ほど。ATMの手数料を払えばむしろ減ってしまう――そんな水準だったのです。

ところが利上げ局面に入り、預金金利の引き上げが相次ぎました。三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクは2026年8月3日から円普通預金金利を年0.300%→年0.400%へ引き上げ、公式サイトの金利一覧でも三菱UFJ銀行が年0.400%(2026年9月1日現在)、みずほ銀行が年0.400%(2026年8月31日現在)と表示されています。三菱UFJ・三井住友にとっては、合併前の旧行時代の1992年8月以来およそ34年ぶりの水準です。

同じ100万円を1年間預けても、年0.001%なら利息は約10円(税引前)、年0.400%なら約4,000円(税引前)と、受け取れる利息は大きく変わります。「預けても増えない」時代から、預け先しだいで差がつく時代へと移ってきたと言えるでしょう。

定期預金は「長いほど高い」形に戻った

動いているのは普通預金だけではありません。大手行の円定期預金(スーパー定期)は、預入期間が長いほど金利が高いという、かつて当たり前だった形に戻っています。三菱UFJ銀行の公式サイトに掲載されている金利(2026年9月1日現在)は次のとおりで、みずほ銀行も同じ水準(2026年8月31日現在)です。

大手行のスーパー定期の預入期間別金利。1年0.500%、2年0.650%、3年0.800%、5年1.000%、10年1.250%
三菱UFJ銀行の公式サイト掲載金利(2026年9月1日現在)。みずほ銀行も同水準です(2026年8月31日現在)。

1年もので年0.500%、5年もので年1.000%、10年ものでは年1.250%。普通預金の年0.400%と比べると、期間を決めて預けることの意味が数字で見えてきます。

ポイントは、普通預金は変動金利、定期預金は原則として預入時の金利が満期まで続く固定金利だという点です。普通預金は改定日以降、手続きなしで新しい金利が適用されますが、すでに預けている定期預金の金利は自動では上がりません。金利が動く局面では、満期を迎えた定期預金をそのまま自動継続にせず、そのときの条件を見比べる習慣が効いてきます。

ゆうちょ銀行も同じ方向に動いた

ゆうちょ銀行も2026年8月10日に貯金金利を引き上げており、公式サイトの金利一覧(2026年8月31日現在)では通常貯金 年0.400%、定期貯金は1年 年0.500%、3年 年0.800%、5年 年1.000%、10年 年1.250%です。据置期間経過後にいつでも払い戻せる定額貯金は、3年以上で年0.710%となっています。大手行・ゆうちょ銀行のあいだでは、水準がほぼそろっているのが現状です。

安全資産の利回りも改善=個人向け国債という選択肢

金利上昇の恩恵は預金だけではありません。元本割れを避けたい人に向く「安全資産」の代表格である個人向け国債も、利回りが着実に改善しています。財務省が公表している2026年8月募集分(募集期間は8月6日〜31日で終了・発行日は9月15日)の表面利率は次のとおりでした。

個人向け国債2026年8月募集分の表面利率。変動10年1.87%、固定5年2.06%、固定3年1.71%
募集は2026年8月31日で終了し、発行日は2026年9月15日。9月募集分(9月3日〜30日予定)の利率は募集前に公表されます。
商品(8月募集分)表面利率(年・税引前)税引後
変動10年(第197回債)年1.87%年1.4901095%
固定5年(第185回債)年2.06%年1.6415110%
固定3年(第195回債)年1.71%年1.3626135%

※財務省「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」(2026年8月31日現在)にもとづく。募集は2026年8月31日で終了し、発行日は2026年9月15日。

変動10年の適用利率は「基準金利×0.66」(下限は年0.05%)で決まる仕組みで、第197回債は基準金利2.83%に対して年1.87%が適用されています。長期の国債利回りが上がれば、半年ごとに見直される適用利率もそれに応じて動くという設計です。固定5年・固定3年は、発行時の利率が満期まで変わりません。

次回(9月)の募集期間は2026年9月3日〜30日が予定されており、利率は募集の開始前に財務省が公表します(本記事の執筆時点では未公表のため、数値は掲載していません)。個人向け国債は1万円から購入でき、発行から1年経過すればいつでも国の買取による中途換金が可能です(中途換金時は直前2回分の各利子〈税引前〉相当額×0.79685が差し引かれ、発行後1年間は原則として中途換金できません)。「少しでも有利に、しかし安全に」というニーズに、定期預金と並ぶ選択肢として検討する価値があります(利率・条件は必ず財務省の個人向け国債ページでご確認ください)。

「横並び」でも、預け先を比べる意味は大きくなった

金利が上がっても、大手行同士はやはり横並びの傾向が強いままです。一方で、ネット申込限定の定期預金や新規口座開設者向けの商品には、より高い金利を提示しているものがあります。同じ「元本保証の円預金」でも、どこに・どの商品で・どの期間で預けるかで受け取れる利息に差が出るのが今の環境です。

金融機関・商品金利(年・税引前)主な条件・時点
三菱UFJ銀行・みずほ銀行
円普通預金
年0.400%変動金利。三菱UFJは2026年9月1日現在、みずほは2026年8月31日現在
三菱UFJ銀行
スーパー定期
1年 年0.500%
10年 年1.250%
2026年9月1日現在。みずほ銀行も同水準(2026年8月31日現在)
ゆうちょ銀行
定期貯金
1年 年0.500%
10年 年1.250%
2026年8月31日現在。通常貯金は年0.400%
SBI新生銀行
パワーフレックス円普通預金
年0.400%2026年9月1日現在。ステップアッププログラムの最上位ステージは年0.450%
SBI新生銀行
SBIハイパー預金
年0.550%2026年9月1日現在。SBI証券口座との連携が必要な変動金利の円預金
SBI新生銀行
パワーダイレクト円定期預金30
1年 年1.200%
5年 年1.950%
2026年9月1日現在。インターネット限定・30万円以上
SBI新生銀行
スタートアップ円定期預金
3ヵ月・1年とも 年1.700%2026年9月1日に引き上げ。新規口座開設者限定・ネット30万円以上
個人向け国債 変動10年
(第197回債・8月募集分)
初回 年1.87%募集は2026年8月31日で終了。次回募集は9月3日〜30日の予定(利率は募集前に公表)

※各金融機関の公式サイト・財務省の公表にもとづく。商品ごとに預入金額・預入期間・申込方法などの条件が異なります。最新の金利・適用条件は必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。

SBI新生銀行は、元本保証の円預金で比較的高い水準を提示しています。円普通預金(パワーフレックス)は年0.400%と大手行に並び、SBI証券口座と連携するSBIハイパー預金は年0.550%(いずれも2026年9月1日現在・変動金利)。インターネット限定のパワーダイレクト円定期預金30(30万円以上)は1年もの 年1.200%、5年もの 年1.950%で、新しく口座を開いた人だけが申し込めるスタートアップ円定期預金は2026年9月1日に引き上げられ、3ヵ月もの・1年ものとも年1.700%になりました。店舗での相談とオンライン手続きの両方に対応している点も、まとまった資金を動かすときには安心材料になります。

キャンペーン金利は「期間」と「条件」をセットで見る

比較記事や広告で見かける高い金利は、期間限定のキャンペーンや、特定の申込方法に限った特別金利であることが少なくありません。期限が切れれば当然その金利では預けられなくなります。

たとえば三井住友信託銀行が新型定期預金〈グッドセレクト(固定型)〉を対象に実施していた「夏の定期預金キャンペーン」は、2026年8月31日で終了しています。同行では現在、インターネットバンキング限定の「円貨定期預金プラン」として、2026年9月1日〜9月30日の受付分に特別金利を適用する取り扱いがあります(1契約100万円以上・預入期間2年/3年/5年、金利は毎月見直し)。適用利率は月ごとに変わるため、必ず公式ページで当月の数値を確認してください。

SBI新生銀行も、インターネット限定のパワーダイレクト円定期預金で3ヵ月もの・6ヵ月もの・1年ものの3本をすべて設定すると各期間とも年1.25%相当(税引前・上乗せ後)になる「トリプル円定期キャンペーン」を2026年9月10日まで実施しています(各30万円以上500万円まで)。「◯%相当」という表記は上乗せ後の水準であり、店頭表示の金利とは別物です。キャンペーンを見るときは、①適用期間 ②対象金額の上限・下限 ③申込方法(ネット限定か店頭か) ④上乗せの対象となる預入期間の4点をそろえて確認しましょう。

元本保証で少しでも有利に預けるには

「貯蓄から投資へ」という言葉のとおり、株式・投資信託や外貨預金は、円預金より高いリターンが期待できる一方で元本保証ではなく、資産価値が目減りするリスクがあります。元本割れを避けたい人にまず検討してほしいのは、より金利の高い円預金・円定期預金や、個人向け国債などの安全資産を探すことです。手間のわりに条件はそれほど難しくないことも多く、堅実に利息を増やす第一歩になります。

あわせて押さえておきたいのが預金保険制度(ペイオフ)です。万一、預け先の金融機関が破綻しても、1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息が保護されます(決済用預金は全額保護)。まとまった資金は預け先を分けることで、より安心して高めの金利を狙えます。制度の詳細は預金保険機構のサイトで確認できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 普通預金の金利が上がると、いまある預金にはいつから反映されますか?
普通預金は変動金利のため、改定日以降の残高に自動的に新しい金利が適用されます。預け替えなどの手続きは不要です。一方、すでに預け入れている定期預金は預入時の約定金利が満期まで続くのが原則で、途中で自動的に上がることはありません。金利が動いている局面では、満期を迎えたときに条件を見比べることが大切です。

Q. 金利が上がる局面では、長期の定期預金にまとめて預けてよいですか?
全額を1本の長期定期に固定してしまうと、その後にさらに金利が上がっても満期まで動かしにくくなります。反対に、期間が長いほど金利が高く設定されている以上、短期に寄せすぎると受け取れる利息は小さくなります。預入期間や満期時期を分けて「預け替えられる余地」を残す方法(満期の分散)が、どちらにも振り切らない現実的な備えになります。将来の金利は誰にも断定できないため、あくまで分散でリスクに備える考え方です。

Q. 普通預金と定期預金は、どう使い分ければよいですか?
当面の生活費や、いつ使うか分からない資金は、出し入れが自由な普通預金が向きます。当分使う予定のないまとまった資金は、より金利の高い定期預金に預けると利息を増やしやすくなります。定期預金は中途解約すると利息が大きく減る点に注意し、使う予定の時期に合わせて預入期間を選びましょう。

Q. 大手行の金利が上がったのなら、ほかと比べる必要はないのでは?
引き上げ後でも、大手行の普通預金は年0.400%、1年ものの定期預金は年0.500%です。一方で、ネット申込限定の定期預金には年1%を超える水準を提示しているところもあります(上の比較表を参照)。同じ元本保証の円預金でも、商品や申込方法によって金利差は小さくありません。預金保険で保護される範囲を意識しながら、複数の預け先を比べる意味はむしろ大きくなっています。

Q. 定期預金と個人向け国債は、どちらが有利ですか?
2026年8月募集分の個人向け国債は変動10年で年1.87%と、大手行の10年もの定期預金(年1.250%)を上回る水準でした。ただし個人向け国債は発行後1年間は原則として中途換金できず、中途換金時には直前2回分の利子相当額が差し引かれます。定期預金は中途解約しても元本を下回らない商品が一般的です。利率だけでなく「途中で引き出せるか」まで含めて比べるのが実務的です。

なお、預金金利やキャンペーンは時点によって変わります。本記事の金利は、とくに断りがない限り2026年9月1日時点の情報です。実際に預け入れる前に、必ず各金融機関の公式サイトで最新の金利・適用条件をご確認ください

当サイトでは、企業努力によってより金利の高い円定期預金を提供している銀行を比較・紹介しています。大切なご資産を少しでも有利に、そして安全に預けるための参考にしていただければ幸いです。


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