定期預金の中途解約利率とは?途中解約で利息が減る仕組みと損しない預け方

定期預金の満期と中途解約のタイミングをイメージした図

目次

定期預金は元本保証。ただし、中途解約すると受け取る利息は大きく減る

定期預金(円)は元本保証型の金融商品です。元本保証とは、預けた金額そのものが守られること――つまり1,000万円を預ければ、原則として1,000万円は必ず引き出せることを意味します(※ペイオフが発動するような特殊なケースを除く)。 そのため、急な出費で普通預金だけでは足りず、やむを得ず満期前に定期預金を解約したとしても、預けた元本が目減りする心配はありません。これは仕組預金・債券・貯蓄性保険など「満期前に解約すると元本割れする可能性がある商品」との大きな違いで、定期預金の一番の安心材料といえます。5年後・10年後まで使う予定のなかったお金でも、数年後に想定外の出費が生じることはよくあります。元本が守られる点は、定期預金の最大のメリットです。 ただし受け取れる利息については、少し仕組みが異なります。満期前に解約(中途解約・期限前解約)すると、当初約束された金利ではなく「中途解約利率(期限前解約利率)」という低い利率が適用され、受け取れる利息が大きく目減りします。

中途解約利率(期限前解約利率)とは?――利率が下がる仕組み

中途解約利率とは、定期預金を満期日より前に解約したときに適用される、当初の約束利率(約定利率)よりも低い利率のことです。多くの銀行のスーパー定期などでは、次のような考え方で決まります。
  • 預入から6か月未満で解約した場合:解約日時点の「普通預金利率」が適用されます。つまり定期預金にした意味がほとんどなくなってしまいます。
  • 6か月以上たってから解約した場合:「約定利率 × 経過期間に応じた割合(掛け目)」で計算されます。預けてからの期間が長い(満期に近い)ほど掛け目は高くなり、受け取れる利息は約定利率に近づきます。逆に、預けて間もないほど掛け目は低くなります。
掛け目の具体的な数値は銀行や商品によって異なり、計算結果は小数点第4位以下を切り捨て、解約日の普通預金利率を下回らないのが一般的な取り扱いです。正確な掛け目は各行の「商品説明書(商品概要説明書)」に一覧表として載っているので、解約前に確認しておくと安心です。 【よくある誤解】「中途解約すると一律で約定利率の70%になる」と説明されることがありますが、これは正確ではありません。約定利率×70%というのは、預入期間2年以上の定期預金で満期前に受け取る「中間利払利率」などに使われる数字で、中途解約利率そのものとは異なります。中途解約利率は上記のとおり経過期間に応じて段階的に変わる点を押さえておきましょう。(適用条件の詳細は各行の商品説明書・公式サイトでご確認ください)
解約のタイミング(経過期間)適用される利率の考え方ポイント
預入から6か月未満解約日時点の普通預金利率定期預金にしたメリットがほぼ失われる
6か月以上〜満期まで(前半)約定利率 × 低め〜中程度の掛け目預けて間もないほど掛け目は低い
満期が近い時期(後半)約定利率 × 高めの掛け目約定利率に近づくが、満期まで待つより利息は少ない
共通のルール計算結果は小数点第4位以下切り捨て/解約日の普通預金利率が下限具体的な掛け目は各行の商品説明書で異なる

中途解約で受け取る利息はどれくらい減る?――計算例

金利が上がった分だけ、途中で解約したときに取り逃す利息も大きくなっています。ここでは預入期間5年・金利 年1.000%の定期預金に1,000万円を預けたケースで考えてみます(この年1.000%は、三菱UFJ銀行のスーパー定期5年ものの店頭表示金利=2026年8月5日時点の水準を目安にしたものです)。 満期まで保有した場合の受取利息(税引前・単利)は次のとおりです。 1,000万円 × 1.000% × 5年 = 50万円(税引前/税引後およそ39万8,000円) これを4年後に中途解約し、仮に中途解約利率が約定利率の50%(=年0.500%)だったとすると―― 1,000万円 × 0.500% × 4年 = 20万円(税引前/税引後およそ15万9,000円)
1,000万円を年1.000%の5年定期に預けた場合、満期保有では50万円、4年で中途解約すると20万円になることを示す棒グラフ
1,000万円・預入期間5年・年1.000%(単利・税引前)。中途解約利率は約定利率の50%と仮定した試算例です。
満期まであと1年というところで解約しただけで、受け取れる利息が50万円から20万円程度まで減ってしまう計算です。「預入期間が1年短くなる」だけでなく「適用される利率そのものが下がる」ため、差が二重に効いてくるのが中途解約の怖いところです(掛け目は銀行・経過期間により異なります)。 ※受け取る利息には約20.315%の税金(源泉分離課税)がかかります。上記の税引後の金額はその概算です。

【2026年8月】金利上昇局面では「途中解約の機会損失」がより大きくなる

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に利上げを進めてきました。2026年6月16日の金融政策決定会合で政策金利を1.0%程度へ引き上げ、7月31日の会合ではこの水準を据え置いています。 これを受けて預金金利の引き上げも続いています。大手銀行の普通預金金利は2026年8月3日から年0.400%となり、定期預金も1年もので年0.500%、5年もので年1.000%、10年もので年1.250%といった水準です(三菱UFJ銀行の店頭表示金利・2026年8月5日時点)。ネット系の銀行や一部のキャンペーンでは、これを上回る金利が提示されることもあります。 金利が上がると、満期まで預けたときに受け取れる利息も大きくなります。その分、途中で解約して低い中途解約利率になってしまったときに取り逃す利息(機会損失)も大きくなるということです。金利のある時代だからこそ、「満期まで動かさずに済むお金」で定期預金を組むことが、以前にも増して大切になっています。 なお、金利は今後も改定される可能性があります。実際に預ける際は、各行公式サイトで最新の適用金利をご確認ください。

金利が上がったら「解約して預け替え」は得?――試算で考える

金利上昇局面でよく聞かれるのが、「低い金利で預けた定期預金を途中解約して、今の高い金利に預け替えたほうが得ではないか」という疑問です。答えは「経過期間と金利差しだいで、得になることもある」です。中途解約=常に損、というわけではありません。 たとえば、2年前に「5年もの・年0.300%」で300万円を預け、満期まであと3年というケースを考えます(税引前・単利、掛け目は約定利率の50%と仮定)。
  • そのまま満期まで持つ場合:300万円 × 0.300% × 5年 = 4万5,000円
  • いま解約して3年もの 年0.800% に預け替える場合:解約時の利息が300万円 × 0.150%(=0.300%の50%) × 2年 = 9,000円、預け替え後が300万円 × 0.800% × 3年 = 7万2,000円。合計 8万1,000円
この前提では、預け替えたほうが3万6,000円ほど多く受け取れる計算になります。判断の目安になるのは、次の3点です。
  • 金利差が大きいほど、預け替えは有利になりやすい(過去に極端に低い金利で長期の定期を組んでいる場合はとくに)。
  • 経過期間が短いほど、失う利息は小さい(預けて間もないほど、そもそも積み上がった利息が少ない)。
  • 残りの期間が長いほど、新しい金利で運用できる期間が長くなる(満期直前なら待ったほうが素直です)。
ただし、掛け目は銀行・商品ごとに異なり、預け替え先の金利も変わります。実際に判断するときは、必ず取引先の銀行の商品説明書で中途解約利率の掛け目を確認し、預け替え先の金利と見比べてから決めてください。窓口やコールセンターで「いま解約するといくらの利息になるか」を試算してもらうのが確実です。

中途解約で損しないための工夫

やむを得ず途中で解約せざるを得ない事態に備える方法として、定期預金を複数口に分けて預けるやり方があります。たとえば1,000万円を1口で預けるのではなく、200万円×5口に分けて預けるイメージです。 こうしておけば、急に400万円が必要になっても2口だけを解約すれば足り、残りの3口(600万円)は定期預金のまま満期まで保有できます。中途解約利率が適用される範囲を最小限に抑えられるのがメリットです。 また、日常の生活費や近いうちに使う予定のあるお金(生活防衛資金)は無理に定期預金にせず、いつでも引き出せる普通預金に置いておくことも、中途解約を避けるうえで有効です。普通預金の金利も上がっているため、以前ほど「置いておくだけで損」という状態ではなくなっています。満期の時期をずらして複数の定期を組む「ラダー(階段)方式」も、まとまった資金を計画的に運用しながら急な入り用に対応しやすくなります。その他のもう少し特殊な方法については、こちらのラダリング(満期分散)に関する記事もご参照ください。

ペイオフ(預金保険)との関係も押さえておく

定期預金は預金保険(ペイオフ)の対象で、万一銀行が破綻しても、1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息が保護されます。中途解約利率は「利息が減る」話であって元本が減る話ではありませんが、まとまった資金を1つの銀行に集中させる場合は、この1,000万円の枠も意識して預け先を分散しておくと、より安心して運用できます(預金保険機構)。

よくある質問(FAQ)

Q. 中途解約すると元本も減りますか? 円の定期預金では、原則として元本が減ることはありません。減るのは「受け取れる利息」です。ただし、預入期間2年以上で中間利払いを受け取っている場合など、すでに支払われた利息との差額を精算する結果、返ってくる金額が当初の元本を下回ることがまれにあります。詳しくは各行の商品説明書をご確認ください。 Q. 中途解約に手数料はかかりますか? 多くの銀行では、中途解約そのものに「解約手数料」はかかりません。ただし約定利率より低い中途解約利率が適用されるため、結果として受け取れる利息は少なくなります。 Q. 一部だけ解約することはできますか? 商品によっては、預入から1年経過後などの条件のもとで、必要な金額だけの一部解約ができます。一部解約した部分には中途解約利率が、残った部分には当初の約定利率が引き続き適用されるのが一般的です。取り扱いは銀行・商品により異なります。 Q. 自分の定期預金の中途解約利率は、どこで確認できますか? 各行の公式サイトに掲載されている「商品説明書(商品概要説明書)」に、経過期間ごとの掛け目が一覧で示されています。個別の金額を知りたい場合は、通帳・証書や取引画面で預入日・約定利率・満期日を確認したうえで、窓口やコールセンターに試算を依頼するのが確実です。 Q. キャンペーン金利の定期預金を中途解約したらどうなりますか? キャンペーン金利や上乗せ金利が付いた定期預金でも、中途解約時は通常の中途解約利率の考え方が適用され、上乗せ分は受け取れないのが一般的です。上乗せの条件(預入期間・他商品との併用など)が付いている場合はとくに、適用条件を申込前に確認しておきましょう。 Q. 満期を過ぎて放置した場合の利率はどうなりますか? 自動継続の定期預金は、満期時点の金利で同じ期間の定期預金として継続されます。自動継続でない場合、満期日以降は普通預金利率で計算されることが多いため、満期のタイミングは把握しておきましょう。 金利のある時代に入り、少しでも有利な預け先を選ぶ意義は高まっています。たとえばSBI新生銀行は、インターネット限定の「パワーダイレクト円定期預金」で1年もの年1.200%、3年もの年1.500%といった金利を提示しているほか(2026年8月5日時点)、SBI証券と連携する「SBIハイパー預金」は普通預金でありながら年0.550%と、待機資金の置き場所としても選びやすい水準です。さらに条件を満たすと年1.25%相当になる円定期のキャンペーン(税引前・上乗せ後、2026年9月10日まで)も実施しており、「使う予定のあるお金」と「当分動かさないお金」を分けて管理したい人にとって、検討に値する選択肢のひとつといえます(金利・条件は改定されることがあるため、最新の内容は公式サイトでご確認ください)。中途解約による利息の目減りを避けるためにも、預入期間・最低預入額・中途解約の条件まで確認したうえで、無理のない範囲で定期預金を活用しましょう。 ※本記事の金利・商品内容は2026年8月時点の情報にもとづく一般的な説明です。掛け目など中途解約利率の詳細や最新の金利・取り扱いは、各金融機関の公式サイト・商品説明書でご確認ください。


関連記事


定期預金(1年未満)金利比較ランキング


おすすめ記事

過去の記事