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変動金利定期預金とは|固定の定期より得になる金利上昇の幅

変動金利定期預金は、預けている間に6か月ごとに適用金利が見直される定期預金です。見直し後の金利は、その銀行の6か月ものの定期の店頭金利に、預けた日に決まる上乗せ幅を足したものです。

2026年11月2日現在の5つの銀行の金利表では、変動金利定期預金(3年もの)の最初の金利が、固定の3年ものと同じ銀行が2行、0.110〜0.300ポイント低い銀行が3行でした。この3行は最初の金利が6か月ものと同じため、6か月ものの金利が上がらなければ、満期までの利息は固定の定期を下回る計算です。

見直し後の金利は、6か月ものの店頭金利に上乗せ幅を足して決まる

変動金利定期預金の金利は、預けてから最初の6か月は預けた日の店頭表示の金利です。その後は、預けた日から6か月ごとの同じ日付に、新しい金利へ切り替わります。

新しい金利の基準(指標金利)は、多くの銀行で預ける金額に応じた6か月ものの固定の定期の金利です。300万円未満はスーパー定期、300万円以上1,000万円未満はスーパー定期300、1,000万円以上は大口定期の、それぞれ6か月ものの金利が基準です。

指標金利に足す上乗せ幅は、預けた日に決まり、満期まで変わりません。東邦銀行・四国銀行・大分銀行・みずほ銀行・三井住友信託銀行の公式の説明にも、この決め方が書かれています。

上乗せ幅が0なら、見直し後の金利は6か月ものの金利そのものです。その場合、最初の金利も、同じ日に預ける固定の3年ものより低いことが多くあります。

日銀が利上げしても、金利が変わるのは次の見直し日から

日本銀行は2026年9月18日に政策金利を1.25%程度へ引き上げ、10月30日の会合で据え置きました。変動金利定期預金の金利は、この政策金利に連動しているわけではありません。

連動するのは、各行が自分で決める6か月ものの店頭金利です。下の表の5つの銀行の6か月もの(300万円未満)は、2026年11月2日現在で年0.500〜0.625%でした。

銀行が6か月ものの金利を引き上げても、預けている変動金利定期預金に反映されるのは、預けた日から数えた次の見直し日からです。たとえば5月10日に預けた人は、11月10日時点の6か月ものの金利で、その後6か月の金利が決まります。

最初の金利が固定の3年ものと同じ銀行と、低い銀行がある

2026年11月2日現在の5行の金利表で、300万円未満の3年ものの金利は次のとおりです。

銀行変動金利定期預金(最初の6か月)6か月ものの定期(指標)固定の3年もの固定との差
七十七銀行年0.800%年0.600%年0.800%0
東邦銀行年0.900%年0.625%年0.900%0
四国銀行年0.600%年0.600%年0.710%−0.110ポイント
きらぼし銀行年0.500%年0.500%年0.800%−0.300ポイント
スルガ銀行年0.500%年0.500%年0.800%−0.300ポイント

※各行の店頭表示金利(税引前・2026年11月2日現在、四国銀行ときらぼし銀行は11月2日〜8日の適用分)。ネット限定の上乗せや特別金利は含めていません。

七十七銀行と東邦銀行は、最初の金利が固定の3年ものと同じです。この最初の金利は、6か月ものの金利を0.200ポイント(七十七銀行)、0.275ポイント(東邦銀行)上回っています。この差が上乗せ幅として満期まで続くなら、6か月ものの金利が下がらない限り、利息は固定の定期を下回りません。

残る3行は、最初の金利が6か月ものと同じです。満期までの利息で固定の3年ものを上回るには、6か月ものの金利が今後どこかで上がる必要があります。上乗せ幅は、どの銀行も金利表に載せていません。預ける前に窓口で確認してください。

金利の動き方で、3年間の利息はこれだけ変わる

100万円を3年預けた場合の税引後の利息は、6か月ものの金利の動き方によって次のように変わります。パターンAは七十七銀行の金利表をもとに上乗せ幅を0.200ポイントと仮定した条件、パターンBはきらぼし銀行・スルガ銀行の金利表をもとに上乗せ幅を0と仮定した条件(最初0.500%)です。

単利・半年を0.5年として計算。上乗せ幅は金利表をもとにした仮定。
6か月ものの金利の動きパターンA(最初0.800%・上乗せ0.200ポイント)パターンB(最初0.500%・上乗せ0)固定の3年もの(0.800%)
3年間変わらない19,125円11,953円19,125円
1年後に0.25ポイント上がる23,109円15,937円19,125円
半年ごとに0.125ポイントずつ上がる26,596円19,424円19,125円
1年後に0.25ポイント下がる15,141円7,969円19,125円

※当サイト試算。単利で半年を0.5年として計算し、税金は3年分の利息の合計に国税15.315%と地方税5%をそれぞれ掛け、1円未満を切り捨てて差し引いています。中間利払の時期や1年を365日とする日割りの差は含めていません。

パターンAの利息は、金利が下がった場合を除いて、固定の定期と同じか多くなります。1年後に0.25ポイント下がると、受け取る利息は固定より3,984円少なくなります。

パターンBの利息は、6か月ものの金利が半年ごとに0.125ポイントずつ、3年間で計0.625ポイント上がって、ようやく固定を少し上回ります。1回だけ上がる場合は、預けて6か月後なら0.36ポイント、1年後なら0.45ポイント上がれば、固定と同じ金額になります。

中途解約すると、受け取った利息を返すことがある

変動金利定期預金を満期前に解約すると、利息は預けた日にさかのぼって中途解約利率で計算し直されます。中途解約利率は、適用されていた金利に、預けていた期間に応じた割合を掛けたものです。

単利で6か月ごとに利息を受け取る方式では、すでに受け取った利息が計算し直した利息より多いと、その差額を返す必要があります。四国銀行の商品概要説明書は、差額を元金から差し引くと定めています。

金利に掛ける割合も、銀行によって違います。3年ものを2年6か月以上たってから解約したときの割合は、多くの銀行で約定利率(解約まで適用されていた金利)の90%です。一方、山口銀行の単利の商品は40%、三井住友信託銀行は1年以上たっていれば一律10%です。

スルガ銀行と四国銀行では、原則として中途解約できません。

固定の定期の中途解約利率は、中途解約利率の決まり方と計算例の記事で説明しています。

期間・最低額・解約の割合は銀行ごとに違う

11行の主な条件は、2026年11月4日時点で次のとおりです。

銀行預入期間利息の計算最低預入額3年ものを2年6か月以上で解約
七十七銀行2年・3年単利・複利(複利は個人)1円約定利率×90%
東邦銀行単利2年・3年/複利3年単利・複利(複利は個人)1円約定利率×90%
百五銀行3年複利(個人)1円約定利率×90%
四国銀行3年単利・複利(複利は個人)1円原則解約不可(認められた場合は×90%)
山口銀行2〜5年(複利は3〜5年)単利・複利(個人向けの商品)1円約定利率×40%(単利)
スルガ銀行3年単利・複利(複利は個人)公式ページに記載なし原則解約不可
きらぼし銀行単利2〜5年/複利3〜5年単利・複利(複利は個人)100円約定利率×90%(複利)
大東銀行3年複利(個人)1円約定利率×90%
三井住友信託銀行2年・3年・5年半年複利(個人)10万円約定利率×10%(1年以上)
大分銀行1〜3年(複利は3年)単利・複利(複利は個人)100円—(新規取扱中止)
みずほ銀行2年・3年単利・複利(複利は個人)1円—(新規・自動継続を停止)

※当サイト調べ。各行の商品概要説明書・商品ページ(2026年11月4日確認)。三井住友信託銀行はグッドセレクト(変動型)、山口銀行はスーパー変動金利定期預金。

最低預入額は1円からの銀行が多く、少額でも預けられます。6か月未満で解約したときは、多くの銀行が普通預金の金利で計算します。大東銀行の複利の商品は、普通預金の金利ではなく約定利率の5%で計算します。

みずほ銀行と大分銀行は、新しく預けられなくなった

みずほ銀行は2024年12月8日に、変動金利定期預金の新規の預け入れと自動継続を停止しました。大分銀行も2026年6月8日以降、単利・複利のどちらも新規の取り扱いをやめています。

上の表で、いま新しく預けられる銀行は地方銀行と信託銀行です。四国銀行のように、窓口で申し込む銀行もあります。

みずほ銀行の商品ページには、金融情勢によっては、同じ日に預けた固定の定期より受け取る利息が少なくなる場合があると書かれていました。金利が上がる時期に預けても、利息が必ず固定より多くなるとは限りません。

変動金利の定期が向くお金と、向かないお金

向くのは、2〜3年は使う予定がなく、途中で引き出さないと決められるお金です。最初の金利が、期間の等しい固定の定期と変わらない銀行なら、上乗せ幅が最初の差のまま続く限り、6か月ものの金利が下がらなければ利息は固定より少なくなりません。

向かないのは、1〜2年以内に使う可能性があるお金です。途中で解約すると、利息が低い中途解約利率で計算し直されるため、手取りが大きく減ります。

金利が上がったときに利息を増やしたいだけなら、1年ものの固定の定期を満期ごとに預け直す方法もあります。乗り換えの損得は金利上昇時の預け替えの損益分岐で、満期を分ける預け方は定期預金のラダリングの記事で、それぞれ計算例を紹介しています。

半年ごとに利率が変わる元本保証の商品には、個人向け国債の変動10年もあります。定期預金との違いについては、国債と定期預金の比較の記事を参考にしてください。

変動金利定期預金も、固定の定期と同じく預金保険の対象です。同じ銀行のほかの預金と合わせて、元本1,000万円までと破綻日までの利息が保護されます(預金保険機構)。

金利と商品の条件は記載時点のものです。預け入れ前に各行の最新の金利表と商品概要説明書でご確認ください。

参考・出典

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