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【コラム】円定期預金だけでなく外貨預金への資産分散(外貨預金・外貨定期預金比較)

目次

はじめに

当サイトは円定期預金を比較しているサイトですが、今回のこの記事は定期預金の比較から少しはなれて外貨預金を比較してみたいと思います。私たちは日本に住んでいて、日本で生活しているので円以外のお金を持っておかなくても困ることはありません。海外旅行に行くときは旅行先の通貨が必要になりますが、多少の現金をその国のお金に換金してしまえば、クレジットカードやデビットカード・プリペイドカードで買い物することで日本の銀行口座のお金から引き落とされますのでそんなに困ることはないでしょう。

 

外貨預金の意義

日本は低金利が続いていて、定期預金の金利は低いままです。特別に金利を引き上げた定期預金を提供している銀行などを利用した場合は別ですが普通に円預金口座にお金を預けていても利息はないようなものです。日本に住んでいれば円しか使いませんので円で資産を運用するのが王道ですが、資産の一部を外貨預金(他の通貨)にしておくことには一定の意義があります。

短期的な売買は資産運用とは言えず、単なる投機、悪い言葉で言えばギャンブルですが、中長期的に保有することを前提にすることで外貨預金のメリットは大いにあると思っています。以下はブルームバーグ社のホームページより引用させていただいた、国際決済銀行(BIS)が3年ごとに実施している通貨流通量のシェアを示したグラフです。ブルーの線が2013年、赤い線が2016年のそれぞれの通貨のシェアを示しています。

日本円(Yen)は世界第3位を維持していますが、2013年から2016年にかけて大幅にそのシェアを落としていることがわかります。同じようにユーロやオーストラリアドルもシェアを下げています。米ドルの1人勝ちの状況は変わりませんが注目しなければならないのは中国元・人民元(Chinese Yuan)の動きです。まだまだシェアは低いですが、この3年間の間に倍増していることがわかります。

 

まず頭の中に入れてみて欲しいのは、「日本円」しかもっていないということは、世界で流通している数ある通貨の1通貨に自分のすべてのお金を集中しているだけという感覚です。日本で生活しているとすべてのモノを円で購入するから円だけあればよいという考え方は、本質的には正しくはありません。

例えば、私たちはヨーロッパの車や中国製の商品や中東から輸入されたガソリンを日本で円で買っていますが、それは、誰かが「円と外貨を交換しながら外国から買ってきてくれたもの」を日本の中で円で買っているだけに過ぎません。よく「円の価値が下がれば(円安になれば)輸入品の値段があがり、円の価値が上がれば(円高になれば)輸入品の値段が下がる」という話は聞いたことがあると思いますが、日本は輸出入大国ですので、気が付いていないだけで私たちは円と外貨を頻繁にトレードしていると言えるのです。

 

リスクに備える資産運用とは?

それでは、リスクに備える資産運用をどう考えるかに移りたいと思います。

自給自足で生活している人は別ですが、海外製のモノをたくさん購入する生活をおくっているのに円しか持っていないのはリスクを分散できていないだけと考えることができます。

話がいきなり飛んでしまいますが、1つの事例で考えてみましょう。

例えば、WTI(原油先物)に投資するETF(上場投資信託)をいくらか保有しているとします。この商品は、簡単に言うと原油価格が上がると価値が上昇する商品です。また、その人は毎月1万円~15000円ぐらいのガソリンを給油(購入)する生活をしているとします。ガソリンの国内販売価格は、原油価格の上昇や円安で値段があがってしまいますので、そうなると同じ量のガソリンを購入しているのに支払うお金が増加してしまうのは経験があると思います。

一般的に原油先物という商品はリスクが高い商品と言われていますし、確かにリスクを伴う金融商品ですが、毎月利用しているガソリンが値上がりした時に自分の資産が増える商品を持っている場合、ガソリン価格が値上がりして支払うお金は増えても保有する金融資産が値上がりするので相殺できることになりますね。

これはあくまでも一例に過ぎず、それも少し極端な事例ですが「円預金」しか持っていない人と「原油価格が上昇したら値上がりする商品を少し持っている人」がいたとして、どちらが「リスク」に備えていると言えるでしょうか?「ガソリン価格が変動すること」に対する備えとしては明らかに後者ですね。なお、今回のこのケースだと、国内で購入するガソリン価格が安くなったときに、毎月のガソリン代は少なくりますが、保有商品の価値が下がりますので、ガソリン代が安くなったと喜ぶことはできなくなります。リスクを分散するということは、世の中がどちらか一方に動いた時に「トク」もしないけれども「ソン」もしないように備えることなのでやむなしですね。

 

外貨預金も投資信託も株もリスクのある商品として定義されています。ここでのリスクとは「円建てでの元本割れ」に関するリスクです。前述の通り、円建てでの元本割れが全てのリスクではありません。円預金以外の通貨に資産を分散させることは様々なリスクに備えに繋がるというわけです。

 

外貨預金を取引するなら

ここで話を外貨預金に戻しましょう。ここまで読んでいただいて外貨預金に少し興味が出たという人はこのまま続きを読んでいただければと思います。外貨は色々な方法で保有することができますが、一般的には銀行口座で外貨預金口座にお金を移動する方法が一般的です。その際、銀行に対して為替手数料を支払わなければなりません。例えば、1米ドルあたり10銭などと言った表現をされています。

例えば、1米ドルが100円だった場合、手数料がかからなければ、1000円は10米ドルに交換できることになりますが、実際は銀行に交換手数料を支払うことになります。1米ドルあたり10銭の為替手数料の場合、10米ドルで1円の手数料がかかることになりますので、1000円を交換すると9.99米ドルにしかなりません。差額の1円は銀行に手数料として支払っていることになります。

外貨預金を取引する場合、為替手数料が安ければ安いほど効率的に取引できることになりますので、取引する銀行を選ぶ場合はまずこの為替手数料を比較する必要があります。

外貨預金の為替手数料の比較

米ドル ユーロ 豪ドル
三菱UFJ銀行(店頭) 1円 1円50銭 2円
三菱UFJ銀行(ネット) 25銭 25銭 50銭
三井住友銀行(店頭) 1円 1円40銭 2円50銭
三井住友銀行(ネット) 50銭 70銭 1円25銭
みずほ銀行(店頭) 1円 1円50銭 2円50銭
みずほ銀行(ネット) 40銭 60銭 1円
新生銀行 7銭~15銭 20銭~40銭 20銭~40銭
ソニー銀行 8銭~15銭 8銭~15銭 30銭~45銭
住信SBIネット銀行 4銭 13銭 25銭
楽天銀行 25銭 25銭 45銭

 

住信SBIネット銀行の米ドル4銭が非常に目立ちますね。住信SBIネット銀行は2017年8月10日に為替手数料を大幅に引き下げて外貨預金サービスの利便性を強化しています。また、人気のある通貨であるユーロであればソニー銀行、豪ドルであれば新生銀行が非常に魅力的な為替手数料を提示しています。それに比べてメガバンクの為替手数料はネット取引だとしてもかなり高い水準です。

この為替手数料の差がどれだけインパクトがあることなのかを実際に試算してみましょう。ここでは1米ドル=110円、1ユーロ=130円、1豪ドル85円として、100万円を交換した場合の外貨建てでいくらになるかを試算してみたいと思います。なお、為替手数料に幅がある場合は最も低い為替手数料で計算していますので注意してください。

外貨預金へ交換後の外貨通貨建ての比較

米ドル ユーロ 豪ドル
三菱UFJ銀行(店頭) 9,009.00USD 7,604.56EUR 11,494.25AUD
三菱UFJ銀行(ネット) 9,070.29USD 7,677.54EUR 11,695.90AUD
三井住友銀行(店頭) 9,009.00USD 7,610.35EUR 11,428.57AUD
三井住友銀行(ネット) 9,049.77USD 7,651.10EUR 11,594.20AUD
みずほ銀行(店頭) 9,009.00USD 7,604.56EUR 11,428.57AUD
みずほ銀行(ネット) 9,057.97USD 7,656.96EUR 11,594.20AUD
新生銀行 9,085.12USD 7,680.49EUR 11,737.08AUD
ソニー銀行 9,084.30USD 7,687.57EUR 11,723.32AUD
住信SBIネット銀行 9,087.60USD 7,684.62EUR 11,730.20AUD
楽天銀行 9,070.29USD 7,677.54EUR 11,702.75AUD

 

表が完成しました・・・ただ、このままだとちょっとわかりにくいので、3通貨ごとに最も有利な為替手数料と最も不利な為替手数料を比較して為替手数料の違いによる資産の目減り額を計算してみましょう。

<米ドル>

計算式

9087.60USD<[eafl id="315" name="住信SBIネット銀行" text="住信SBIネット銀行"]> – 9,009.00USD[三菱UFJ銀行など]

差額:78.6USD(8,646円相当)

 

<ユーロ>

計算式

7,687.57EUR<[eafl id="278" name="ソニー銀行" text="ソニー銀行"]> – 7,604.56EUR[三菱UFJ銀行など]

差額:83.01EUR(10,791円相当)

 

<豪ドル>

計算式

11,737.08AUD<[eafl id="84" name="新生銀行のスタートアップ円定期預金" text="新生銀行"]> – 11,428.57AUD[三井住友銀行など]

差額: 308.51AUD(26,223円相当)

 

※差額は先ほどの資産で使った1米ドル110円、1ユーロ130円、1豪ドル85円で円換算したものです。

 

100万円をそれぞれの通貨に交換した時点で米ドルでも8,000円、豪ドルだと26,000円もの違いが生じてしまうことがわかります。はっきり言ってメガバンクの店頭の為替手数料で取引するのは無駄以外の何物でもないということが理解いただけると思います。

ということで、これから(これまで取引していた人も)外貨預金を取引するなら「住信SBIネット銀行」「ソニー銀行」「新生銀行」のいずれかの銀行で取引することをおすすめしたいと思います。

(本来は外貨定期預金の金利や外貨建ての資産運用商品のラインナップや商品性なども考えなければいけませんが、複雑になっていくのでこの特集ページではここまでにします)

 

住信SBIネット銀行の口座開設はこちら

 

ソニー銀行の口座開設はこちら

 

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※この特集ページに掲載している情報は2017年8月9日時点。記載内容やシミュレーションの正確性には万全を期していますがその正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。

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