懸賞金付き定期預金で当たった懸賞金は、受け取るときに20.315%が源泉徴収され、確定申告はできません。一方、宝くじ付き定期でもらった宝くじの当せん金には所得税がかかりません。
懸賞の期待値を年率に直すと、預入額の0.04〜0.13%ほどです(2026年10月22日確認の募集要項から当編集部が試算・税引前)。通常と同じ金利に懸賞が付く商品もあれば、金利を下げて特典を付ける商品もあります。
当たる物と抽選の決め方で、税金は3通りに分かれる
定期預金に付く特典の課税は、当たる物の種類と抽選の決め方で変わります。国税庁の案内と東京国税局の文書回答、関係する法律の条文で確認した扱いは、下の表のようになっています。
| 特典の付き方 | 当たったときの税金 | 根拠 |
|---|---|---|
| 懸賞金付き定期預金(預入額に応じて抽選番号が付き、懸賞の総額が預金の総額で決まる) | 20.315%の源泉分離課税。確定申告はできない | 租税特別措置法41条の9、国税庁 No.1490 |
| 抽選プレゼント付き定期(1人1口など、賞品の数が預金の総額と関係なく決まる) | 一時所得。年50万円の特別控除があり、ほかの一時所得と合算する | 東京国税局の文書回答 |
| 宝くじ付き定期 | 宝くじの当せん金は非課税 | 当せん金付証票法13条 |
| BIG付き定期 | BIGの払戻金は非課税 | スポーツ振興投票の実施等に関する法律16条 |
懸賞金付き預貯金に当たるかどうかは、措置法と施行令の要件で決まります。預入額に応じて抽選番号が付き、懸賞の総額が預金の総額に応じて決まることが条件の一つです。
東京国税局が回答した例では、50万円以上の定期に1人1口の抽選権を付け、賞品の数を預金総額と関係なく決めていました。この賞品は懸賞金付預貯金等に当たらず、一時所得とされています。
一時所得の控除の使い方は、口座開設特典の現金・ポイントにかかる税金の記事で紹介しています。
懸賞金は品物で当たっても20.315%が引かれる
懸賞金付き定期預金の懸賞金は、利息と同じ20.315%(所得税15.315%・住民税5%)の源泉分離課税です。国税庁 No.1490 は、確定申告を行うことはできないとしています。
一時所得の50万円控除は使えません。10万円が当たった場合の手取りは79,685円で、受け取った時点で課税は終わります。
品物の懸賞も課税の対象です。城南信用金庫のスーパードリームでは、3,950円相当のコシヒカリ賞を、源泉徴収分を合わせた4,956円として扱っています(2026年10月22日確認)。
支払う側が税金を負担する場合の計算方法は、国税庁の措置法通達41の9-3に定めがあります。品物の懸賞で手取りが額面より少なく見えるのは、この計算が入るためです。
宝くじ付き・BIG付きの当せん金に所得税はかからない
宝くじ付き定期で受け取る宝くじは、当せん金付証票法13条により当せん金に所得税が課されません。BIG付き定期のBIGも、スポーツ振興投票の実施等に関する法律16条で払戻金が非課税です。
100万円が当たった場合で比べると、懸賞金なら手取りは796,850円、宝くじの当せん金なら100万円のままです。高額になるほど、この差は大きくなります。
当せん金の受け取り方は銀行ごとの手続きで決まります。2026年10月22日に確認した3年ものの宝くじ付き定期では、当せん金は普通預金口座へ自動で入金され、通知書が手元になくても入金されるとしていました。
預入額に対するくじの価値は大きくありません。宝くじの当せん金の総額は法律で発売総額の5割以下と決まっており、BIGも払戻金の基礎は売上の2分の1以下です。
懸賞の期待値を年率に直すと、0.04〜0.13%
懸賞金付き定期預金の募集要項には、懸賞の総額と募集総額、または一定額あたりの当選本数が載っています。懸賞の総額を預金額で割れば、100万円あたりの期待値が出ます。
2026年10月22日に、2つの金融機関の募集要項で計算した結果は次のとおりです。
| 項目 | 城南信用金庫 スーパードリーム(第65回) | 東北銀行 懸賞金付き定期預金(第32回) |
|---|---|---|
| 懸賞の総額の基準 | 募集総額8,500億円で1,103,500千円 | 1ユニット30億円で124万円 |
| 期待値(税引前・年率換算) | 年0.130%相当 | 年0.041%相当 |
| 100万円あたり(税引前) | 約1,298円 | 約413円 |
| 100万円あたり(税引後) | 約1,034円 | 約329円 |
※当編集部試算。城南信用金庫は取扱期間2026年10月1日〜2027年3月31日、品物は源泉徴収分込みの4,956円で計算しています。
※東北銀行は1等10万円×10本・2等1万円×9本・3等1,000円×150本の合計で、発売期間は2026年4月10日に終了しています。募集が総額に届かなければ当選本数は減ります。
城南信用金庫のスーパードリームの金利は、同じ金庫の1年ものスーパー定期と同じ年0.500%です(2026年10月19日現在)。100万円なら税引後の利息約3,985円に、期待値で約1,034円が加わる計算です。
期待値は平均の値で、多くの預金者は1年間何も当たらずに利息だけを受け取ります。城南信用金庫の例では、懸賞総額の8割近くを最高100万円の大賞850組が占めています。
BIG付き定期は、通常の1年ものより金利が低い
auじぶん銀行のBIG付き定期預金は、預入期間1年・100万円単位で、100万円ごとにBIGが1口付きます。
2026年10月21日現在の金利は年0.462%で、同じ銀行の円定期預金1年ものの年0.500%より0.038%低い水準です。
100万円を1年預けた場合の税引後の利息は、通常の1年ものが約3,985円、BIG付きが約3,682円です。差の約303円と引き換えに、1口300円のBIGを受け取る計算になります。
BIGの期待値は1口150円以下なので、利息の差を下回ります。BIGを毎回自分で買っている人なら、購入の手間が省けるぶんの違いと見ることもできます。
宝くじ付き定期も、預入額に対するくじの額面で比べられます。確認した3年ものの商品は300万円で年20枚で、額面は年6,000円(預入額の0.20%)、期待値はその半分以下です。
満期前に崩すと抽選権は消え、懸賞金は預金保険の外
2026年10月22日に、懸賞金付き4商品、宝くじ付き1商品、BIG付き1商品の計6商品の公式ページで、同じ項目を確認しました。結果は下の表のとおりです。
| 項目 | 対象 | 確認した結果 |
|---|---|---|
| 満期前の解約で抽選権・当選権がなくなる | 懸賞金付き4商品 | 4商品とも明記 |
| 懸賞金に20.315%の源泉分離課税 | 懸賞金付き4商品 | 4商品とも明記 |
| 懸賞金は預金保険の対象外 | 懸賞金付き4商品 | 2商品が明記、2商品はページに記載なし |
| 適用金利 | 懸賞金付き4商品 | 3商品は同じ金融機関の1年もの定期と同じ金利、1商品は独自の募集金利 |
| 中途解約とマル優 | 宝くじ付き1商品 | 預入期間3年で原則中途解約できず、マル優も使えない |
| 通常の1年ものとの金利差 | BIG付き1商品 | 年0.038%低い |
懸賞金付き定期は、満期前に解約すると中途解約利率の利息になるうえ、懸賞を受け取る権利も消えます。1年以内に使う予定のあるお金を入れると、懸賞と利息の両方を失うおそれがあります。
預金保険は、元本1,000万円までと破綻日までの利息を保護します。懸賞金付き定期の元本と利息は対象ですが、懸賞金は対象外と明記した商品があります。
保護の範囲は預金保険制度(ペイオフ)と1,000万円の保護の記事で紹介しています。
預ける前に、利息と期待値を円で計算する
懸賞やくじの付いた定期を選ぶときは、税引後の利息と期待値を円に直し、引き出せない期間と合わせて比べます。条件ごとの見方は次のとおりです。
- 金利が通常の定期と同じ懸賞金付きなら、期待値の分だけ上乗せになります。満期まで動かさないお金に向いています。
- 金利が通常より低い商品は、減った税引後の利息と、くじの期待値(額面の半分以下)を比べます。
- ネット銀行のキャンペーン金利と比べるときは、懸賞の期待値を税引後の年率に直して利息に足します。
- 懸賞金は20.315%が引かれ、宝くじの当せん金は非課税です。高額の当選ほど手取りの差が開きます。
特典を円に直して金利と比べる手順は、金利0.1%とポイント1,000円の比べ方の記事で紹介しています。
預けた人の体験談
当編集部が確認したところ、次のような体験談がありました。
- 2年間の宝くじ付き定期で、届いた連番の宝くじから毎回少額の当せんがあり、当せん金は普通預金に自動で振り込まれた。自分で当たりを調べに行かずに済んだが、満期のころには預金金利が上がっていて、次の預け先を金利で選ぶか迷っている。
- 通帳に記帳したところ、宝くじ付き定期でもらった宝くじが当たっていたことに気づいた。
- 宝くじ付き定期を続けてきたものの、金利が低いうえに受け取れる枚数も減ってきたため、解約して投資に回すかを考えている。
いずれも個人の体験で、時期や商品の条件によって結果は異なります。当たるかどうかは抽選しだいで、上の期待値は平均の値として使うものです。
金利・懸賞の条件は記載時点のものです。預け入れ前に各行の最新の金利表と募集要項でご確認ください。
参考・出典
- 国税庁 No.1490 一時所得
- 東京国税局 文書回答事例 プレゼント付定期預金に係る賞品の課税上の取扱いについて
- 国税庁 措置法通達 第41条の9(懸賞金付預貯金等の懸賞金等の分離課税等)関係
- 当せん金付証票法 第5条・第13条、スポーツ振興投票の実施等に関する法律 第13条・第16条(e-Gov法令検索)