X
    Categories: コラム

定期預金とは?仕組み・普通預金との違い・金利と注意点をやさしく解説

定期預金とは、「預け入れる期間をあらかじめ決めて(=定期)」預け入れる預金のことです。いつでも出し入れできる普通預金よりも使い勝手が制限される代わりに、その分高い金利が設定されるのが特徴です。ここでは定期預金の基本的な仕組みから、普通預金との違い、金利と期間の関係、中途解約の注意点、元本が守られる範囲まで、はじめての方にもわかりやすく整理します(金利の記載は2026年8月時点。最新の金利は各金融機関の公式サイトでご確認ください)。

目次

定期預金とは?普通預金との違い

銀行から見ると、定期預金は「このお金はいつまで預けてもらえるかが分かっている」状態です。預かったお金を融資などに計画的に回せるため、その対価として普通預金より高い金利を上乗せします。逆に言えば、私たち預金者は「いつでも好きなときに引き出せる」という権利を一定期間あずける代わりに、上乗せ金利を受け取っているわけです。

金利差は、同じ銀行の中でもはっきり出ます。たとえば三菱UFJ銀行の店頭表示金利は、普通預金が年0.400%、スーパー定期(1年)が年0.500%です(2026年8月13日時点・公式サイトにて確認)。「引き出す時期を決める」だけで金利が変わるのが、定期預金のいちばん基本的な性格です。

比較の観点普通預金定期預金
預入期間定めなし1ヵ月〜10年など、あらかじめ決める
引き出しいつでも自由原則は満期まで。途中で解約すると利率が下がる
金利の水準低め(変動金利)高め(預入時の利率が満期まで固定されるのが一般的)
金利の変わり方金融情勢に応じて随時見直される預け入れた時点の利率が満期まで適用される
向いているお金生活費・すぐ使う予定のあるお金当面使う予定のない余裕資金

ここで見落とされがちなのが、金利の「変わり方」の違いです。普通預金は金利が上がればその後の利息も自動的に増えますが、定期預金は預け入れた時点の利率が満期まで続きます。金利が下がる局面では有利に働き、上がる局面では「もっと待てばよかった」となり得る──この裏表を理解しておくと、期間の決め方に迷いにくくなります。

預入期間と金利の関係

一般的には、預入期間が長いほど金利が高くなるのが定期預金の基本です。かつての超低金利の時期には、短い期間と長い期間の金利差がほとんど無くなり、「長く預けても意味がない」と言われる場面もありました。

2026年8月時点では、その関係がはっきり戻っています。三菱UFJ銀行のスーパー定期は、1年が年0.500%、3年が年0.800%、5年が年1.000%、10年が年1.250%です(2026年8月13日時点・公式サイトにて確認)。ゆうちょ銀行の定期貯金も1年 年0.500%/3年 年0.800%/5年 年1.000%/10年 年1.250%と、ほぼ同じ形になっています(2026年8月10日現在)。

預入期間が長いほど金利が高くなる形がはっきり戻っています(2026年8月13日時点)。

この形になった背景には、金融政策の転換があります。日本銀行は2026年6月16日の金融政策決定会合で金融市場調節方針を変更し、続く7月30・31日の会合では無担保コールレート(オーバーナイト物)を「1.0%程度」で推移するよう促す方針を維持しました(賛成8・反対1)。これを受けて、預金金利の引き上げも実際に動いています。三菱UFJ銀行は円普通預金金利を2026年8月3日に年0.300%→年0.400%へ改定し、ゆうちょ銀行も2026年8月10日から貯金金利を引き上げました(通常貯金 年0.400%、定期貯金1年 年0.500%など)。

ただし、今後も金利が上がり続けるかどうかは誰にも分かりません。「長く預けたほうが得」と決めつけず、後述する「使う予定の時期」から逆算して期間を選ぶのが現実的です。

2026年8月時点の定期預金金利の例

店頭表示金利の水準は、大手行・ゆうちょ銀行と、ネット経由の専用商品とで差が出ています。いずれも税引前の年利率で、預入金額や申込方法に条件があります。

金融機関・商品1年もの5年もの確認時点
ゆうちょ銀行 定期貯金年0.500%年1.000%2026年8月10日現在
三菱UFJ銀行 スーパー定期年0.500%年1.000%2026年8月13日時点
SBI新生銀行 パワーダイレクト円定期預金30
(インターネット限定・30万円以上)
年1.200%年1.950%2026年8月13日時点

同じ「1年もの」でも、金融機関と申込方法で倍以上の差がつくことがあります。一方で、高い金利には「インターネット申込限定」「最低預入額30万円以上」といった条件が付くのが通例です。金利だけを並べて比べるのではなく、①預入期間 ②最低預入額 ③申込方法(店頭かネットか) ④キャンペーンか通常金利かの4点をそろえて比較してください。

なお、キャンペーン金利・新規口座開設者限定の特別金利は、通常の店頭金利とは別物です。たとえばSBI新生銀行の「スタートアップ円定期預金」は、口座開設月を含む当初3ヵ月目の月末まで利用できる新規口座開設者限定の商品で、1年もの 年1.550%・3ヵ月もの 年1.400%となっています(2026年8月13日時点・公式サイトにて確認)。こうした商品は適用条件・対象期間・満期後に適用される金利まで確認したうえで判断しましょう。

「定期預金」に含まれるもの

厳密には「定期預金」には「円定期預金」と「外貨定期預金」が含まれます。また、定期性があるという意味では仕組預金(デリバティブを利用した預金)も定期預金の一種ですが、一般に「定期預金」といえば「円定期預金」を指すと考えてよいでしょう。

この区別は、安全性を重視する人にとってはとても重要です。外貨定期預金は為替相場によって円に戻したときに元本割れする可能性があり、預金保険(ペイオフ)の対象外です。仕組預金は銀行側が満期を延長できる/中途解約が制限されるなどの条件があり、中途解約時には元本を下回ることがあります。表示される金利の高さだけを見て円定期預金と同列に並べないよう、商品名と説明書で必ず確認してください。

中途解約には注意(中途解約利率)

定期預金を満期日より前に解約(中途解約)すると、最初に約束した金利は適用されず、中途解約利率(期限前解約利率)という低い金利が適用されます。ゆうちょ銀行も、定期貯金を預入期間の途中で払い戻す場合は「預入時の適用金利より低い利率」になると案内しています。

また、金利引き上げのニュースを見て「自分の定期の金利も上がるのでは」と思う方がいますが、すでに預け入れ済みの定期預金・定期貯金には、新しい金利は適用されません。預入時の利率(約定利率)が満期まで続き、自動継続の場合は継続日時点の利率が適用されます。金利上昇局面で使える現実的な工夫は、満期を迎えたお金から順に新しい金利で預け直すことと、期間を分けて預ける(例:1年・2年・3年に3分割し、毎年どれかが満期を迎えるようにする)ことです。

当面使う予定のないお金を預けるのが基本で、近いうちに使う予定のあるお金は普通預金に置いておくと安心です。

元本保証とペイオフ(預金保険)

円定期預金は元本が保証され、預金保険制度(ペイオフ)の対象です。万一金融機関が破綻しても、預金保険機構の説明によれば、一般預金等(利息の付く普通預金・定期預金など)は1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。

あわせて押さえておきたい点が3つあります。

ポイント内容
決済用預金は全額保護「無利息・要求払い・決済サービスを提供できる」の3要件を満たす預金(当座預金、無利息型の普通預金など)は全額が保護されます
名寄せは金融機関ごと同じ金融機関に複数口座があっても合算(名寄せ)して1人1,000万円までの判定になります。1,000万円を超える資金は複数の金融機関に分ければ、それぞれ保護対象にできます
対象外の預金がある外貨預金は預金保険の対象外です。仕組預金は上乗せ利息の部分が保護の対象外になるなど、商品ごとに扱いが異なります

元本1,000万円を超える部分は、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、一部がカットされることがあります。まとまった資金を預けるときは、1金融機関あたり「元本1,000万円+満期までの利息」に収まるかを目安に分散しておくと安心です。

いくら預けるとどれくらい増える?(税引後の概算)

預金の利息には20.315%(所得税15.315%・住民税5%)が源泉徴収されます。確定申告は不要ですが、手取りは表示金利より2割ほど少なくなると考えてください。100万円を1年間預けた場合の税引後利息の概算は次のとおりです(金利は2026年8月時点の実例をもとにした目安。実際の利息は預入日・満期日・利払方法等で変わります)。

1年ものの金利(税引前)税引後の年利(概算)100万円・1年の税引後利息(概算)
年0.400%(普通預金の水準)約0.318%約3,187円
年0.500%(大手行・ゆうちょ銀行の1年定期の水準)約0.398%約3,984円
年1.200%(ネット申込専用の1年定期の例)約0.956%約9,562円
年1.550%(新規口座開設者限定の1年定期の例)約1.235%約12,351円

※あくまで概算です。実際の金利・利息・適用条件は各行の公式サイトでご確認ください。

金額のインパクトを掴んでおくと判断がぶれません。100万円・1年で見ると、普通預金に置いたままと年1.200%の定期に預けた場合の差は税引後で約6,400円です。「わざわざ手続きするほどか」と感じるか「1年放っておくだけなら十分」と感じるかは人によりますが、金額が大きくなるほど差も比例して大きくなる点は押さえておきましょう。

目的別に考える「預け先」の分け方

定期預金は「余ったお金を全部入れる」ものではありません。使う時期で3つに分けると、期間選びで迷わなくなります。

お金の性格目安置き場所の考え方
生活防衛資金生活費の3〜6ヵ月分普通預金。急な出費に即応できることが最優先で、金利は二の次
使う時期が決まっているお金
(教育資金・住宅の頭金・車の買い替えなど)
1〜5年以内に使う使う時期に合わせた期間の定期預金。満期が使う時期より後にならないように組む
当面使う予定のない余裕資金
(退職金の一部など)
5年以上長期の定期預金のほか、期間を分けて預けることで金利変動の影響をならす方法もある

「満期が、使う時期より後にならないように組む」のが最大のコツです。中途解約利率が適用されると、せっかくの上乗せ金利がほとんど失われてしまうためです。

よくある質問(FAQ)

Q. 普通預金と定期預金はどちらがよい?
当面使わないお金は金利の高い定期預金、生活費など頻繁に出し入れするお金は普通預金、と用途で分けるのが基本です。どちらか一方を選ぶのではなく、上の「目的別」の考え方で分けてください。

Q. 満期が来たらどうなる?
申込時に「自動継続(元利継続・元金継続)」か「満期受取」を選べます。自動継続を選んだ場合、継続日時点の利率が新たに適用されます。放置していると意図しない期間で継続されることもあるため、満期日は控えておきましょう。

Q. 途中で引き出せる?
引き出せますが中途解約利率が適用されます。商品によっては一部だけ解約できるものもあります。

Q. すでに預けている定期預金の金利も上がる?
上がりません。預け入れた時点の利率が満期まで適用されるのが定期預金の基本です。新しい金利を受け取れるのは、満期後に預け直したときや、新規に預け入れたときです。

Q. キャンペーン金利の定期預金は何に注意すべき?
適用期間・対象期間(何ヵ月ものか)・預入上限・申込方法の限定(ネット限定など)・満期後に適用される通常金利を確認しましょう。中途解約するとキャンペーン金利は適用されない点にも注意が必要です。

Q. 1,000万円を超える預金はどうすればよい?
預金保険で保護されるのは1金融機関ごとに元本1,000万円までと利息等です。複数の金融機関に分けるか、全額保護の対象になる決済用預金を組み合わせる方法があります。

Q. 利息の税金は自分で申告が必要?
不要です。20.315%の源泉分離課税として受取時に差し引かれ、そこで課税関係が完結します。

まとめ

定期預金は最もシンプルで分かりやすい金融商品です。2026年8月時点では、日銀の政策金利が1.0%程度となったことを背景に、大手行・ゆうちょ銀行ともに預金金利の引き上げが実際に行われており、預け先と期間の選び方で受け取る利息に差がつきやすい状況になっています。

選ぶときは、①使う時期から預入期間を決める ②金利は「税引後」で比べる ③最低預入額・申込方法・キャンペーン条件をそろえて比較する ④1金融機関あたり元本1,000万円+利息の範囲に収める、この4点を順番に確認すれば大きな失敗は避けられます。

預け先の候補としては、ネット銀行のほか、SBI新生銀行のように店舗とオンラインの両方に対応し、インターネット申込専用の円定期預金(1年 年1.200%/5年 年1.950%・2026年8月13日時点)や新規口座開設者向けの特別金利商品を用意している銀行もあります。金利は随時改定されるため、最新の金利・適用条件は必ず各行の公式サイトで確認したうえで、ご自身の資金計画に合った定期預金を選びましょう。

webmaster: