新しく開業したデジタルバンクも、日本国内に本店がある銀行なら、預金保険で守られる範囲は大手行と同じです。1つの銀行ごとに、預金者1人あたり元本1,000万円と破綻日までの利息が保護されます。
金利が高いのは、店舗の費用を抑えた分に加えて、口座と預金を新しく集めるための費用を金利に上乗せしているからです。ただし高い金利は新規の人向けや一部の商品に限られることが多く、通常の定期は大手行より低い銀行もあります。
当編集部は2026年10月30日に、新しく参入した銀行と外資系の日本法人の計5行について、会社情報と金利一覧を公式サイトで確認しました。5行とも、預金保険機構の対象金融機関の一覧に名前がありました。
2026年9月、三菱UFJのデジタルバンクに銀行免許が出た
金融庁は2026年9月24日、MUデジタルバンク設立準備株式会社に、銀行法第4条第1項に基づく銀行業の免許を与えました。業務開始時の商号は三菱UFJエムット銀行株式会社です。
金融庁の発表では、株主は株式会社三菱UFJ銀行(100%)、資本金は474億5,000万円です。メガバンクのグループが、本体とは別の会社として新しい銀行を持つことになります。
地方銀行のグループでは、ふくおかフィナンシャルグループのみんなの銀行、東京きらぼしフィナンシャルグループのUI銀行、池田泉州ホールディングスの01銀行がすでに営業しています。
三菱UFJエムット銀行は開業前で、10月30日の時点では預金金利の一覧を確認できませんでした。開業した後は、公表される金利表と商品説明書で条件を確認してください。
預金保険の対象一覧には、免許を受けたばかりの銀行も載っている
預金保険機構が公表する対象金融機関の一覧(2026年10月13日現在)には、132の銀行が載っています。三菱UFJエムット銀行は、開業前のこの時点で「その他の銀行」の欄に入っていました。
同じ欄には、みんなの銀行・UI銀行・01銀行のほか、ネット専業銀行や流通系の銀行などを含む19の名前があります。預け先が保護の対象かどうかは、この一覧に銀行名があるかで分かります。
預金保険機構によると、対象は日本国内に本店がある銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫などで、法律で加入が義務付けられています。開業からの年数や銀行の大きさで、保護の上限が変わることはありません。
新しい銀行5行と大手行1行を、同じ項目で調べた結果
2026年10月30日に、各行の公式サイトで株主・開業時期・1年ものの円定期の金利を確認しました。比べやすいように、大手行からみずほ銀行を1行加えています。
| 銀行 | 株主(公式の記載) | 設立・開業 | 1年ものの円定期の金利(税引前) | 預金保険の対象一覧 |
|---|---|---|---|---|
| みんなの銀行 | ふくおかフィナンシャルグループ(100%) | 2019年8月設立 | 定期預金の金利表示なし(普通預金年0.6%・貯蓄預金年0.7%、プレミアム会員は年1.0%) | 掲載あり |
| UI銀行 | 東京きらぼしフィナンシャルグループ(100%) | 2022年1月4日開業 | スーパー定期(1,000万円未満)年1.25% | 掲載あり |
| 01銀行 | 池田泉州ホールディングスのグループ | 2025年7月28日開業 | 事業者向けの融資が中心で、個人向け定期の案内は確認できず | 掲載あり |
| 三菱UFJエムット銀行 | 三菱UFJ銀行(100%) | 2026年9月24日免許・開業前 | 開業前のため金利表示なし | 掲載あり |
| SBJ銀行 | 新韓銀行(100%) | 2009年9月開業 | スーパー定期 年0.40%/きほんくん 年1.70%/はじめくん 年1.87% | 掲載あり |
| みずほ銀行(比較用) | - | - | スーパー定期(300万円未満)年0.500% | 掲載あり |
※当編集部調べ(各行の公式サイトの会社情報・金利一覧、2026年10月30日確認)。金利の時点は、みんなの銀行が10月30日時点、UI銀行が適用期間10月26日〜11月1日、SBJ銀行が10月1日更新の表示、みずほ銀行が10月26日現在。対象一覧は預金保険機構の公表分(2026年10月13日現在)。
5行のうち、個人が1年ものの円定期に預けられると確認できたのは、UI銀行とSBJ銀行の2行でした。みんなの銀行は定期預金の代わりに、いつでも普通預金へ戻せる貯蓄預金に高めの金利を付けています。
新しい銀行ほど金利が高い、とは限りません。SBJ銀行の通常のスーパー定期1年は年0.40%で、みずほ銀行の年0.500%を下回っていました。
高い金利は、店舗の費用を抑えた分と、預金を集めるための費用
店舗を持たない銀行は、窓口の人件費や店舗の費用がかからない分を預金の金利に回せます。同じ銀行でも窓口とネットで金利が違う理由は、店頭とネットの金利差を比べた記事で紹介しています。
新しい銀行には、もう一つ事情があります。開業したばかりの銀行には預金も利用者もいないため、他行より高い金利を付けて最初の口座を開いてもらう必要があるからです。
金融庁の監督指針は、新しく免許を受けた銀行の経営が軌道に乗るには、一定の期間がかかるのが一般的だとしています。高い金利は、その期間に預金と利用者を増やすための費用と考えると分かりやすくなります。
同じ指針は、店舗を持たない銀行の利用者は金利などの条件に敏感で、解約や変更もしやすいと書いています。免許の審査では、預金が一度に流出した場合に備えた資金の確保策も確認されます。
預ける側から見れば、条件が変われば移る前提で使ってよい預け先です。金利が下がったときにほかの銀行へ移すかどうかを、預ける時点で決めておくと動きやすくなります。
高い金利が付くのは、特定の商品と特定の人であることが多い
SBJ銀行の金利一覧には、同じ1年ものでも金利の違う定期が3種類あります。10月1日更新の表示では、スーパー定期が年0.40%、口座があれば預けられるきほんくんが年1.70%、はじめくんが年1.87%でした。
はじめくんに預けられるのは、初めて口座を開いた人なら開設月を含む3か月目の末までです。すでに口座がある人は、6か月以上の円定期を直近3か月持っていない場合に、7日間だけ申し込めます。
同行の商品ページでは、はじめくんが自動継続されると、スーパー定期または大口定期預金の店頭表示利率になるとしています。年1.87%が続くのは最初の満期日までです。
みんなの銀行の貯蓄預金は、通常は年0.7%、月額600円(税込)のプレミアム会員なら年1.0%です。上乗せの0.3%を受け取るには、会員料という費用がかかります。
表の中でいちばん高い数字だけで銀行を決めると、自分が申し込めない商品や、別に費用がかかる金利と比べてしまうことがあります。期間限定の特別金利は定期預金キャンペーン金利の比較一覧で確認できます。
100万円を1年預けたときの手取りと、会員料の損益分岐
表で確認した金利で、100万円を1年預けた場合の税引後の利息を計算しました。利息には20.315%の税金がかかるため、国税と地方税をそれぞれ1円未満切り捨てで差し引いています。
| 商品(1年もの) | 金利(税引前) | 利息(税引前) | 利息(税引後) |
|---|---|---|---|
| SBJ銀行 スーパー定期 | 年0.40% | 4,000円 | 3,188円 |
| みずほ銀行 スーパー定期 | 年0.500% | 5,000円 | 3,985円 |
| UI銀行 スーパー定期 | 年1.25% | 12,500円 | 9,961円 |
| SBJ銀行 きほんくん | 年1.70% | 17,000円 | 13,547円 |
| SBJ銀行 はじめくん(新規の人など) | 年1.87% | 18,700円 | 14,902円 |
※当編集部試算。元本100万円、金利は2026年10月30日に確認した表示のまま1年間変わらないものとして計算しています。
同じSBJ銀行の1年ものでも、スーパー定期とはじめくんでは税引後で11,714円の差があります。銀行名より、どの商品に預けるかで手取りが決まります。
みんなの銀行の貯蓄預金は金利が変わる預金ですが、仮に1年間変わらないとすると、上乗せの0.3%で増える税引後の利息は元本100万円あたり約2,390円です。
会員料は年7,200円なので、上乗せ分の利息が会員料と同じ額になるのは、元本が約301万円のときです。残高がこれより少なく、金利の上乗せだけを目的に会員になると、会員料のほうが多くかかります。
プレミアム会員には、金利のほかにも公式サイトが案内する特典があります。特典を使う人は、その分の金額も足して比べてください。
外資系でも日本の銀行なら対象、外国銀行の日本支店は対象外
外資系の銀行は預金保険の対象外だと思われがちですが、日本に本店がある日本法人なら対象です。預金保険機構は、外国金融機関の子会社でも、日本国内に本店があれば対象になると説明しています。
SBJ銀行は韓国の新韓銀行が100%出資する日本法人で、同行の会社情報では円預金が預金保険制度の対象だと案内しています。対象金融機関の一覧にも名前があります。
対象外になるのは、外国銀行の在日支店と、日本の銀行の海外支店です。外貨預金は、日本の銀行に預けても預金保険の対象に入りません。
銀行名に海外のグループ名が入っているかどうかでは、見分けられません。預け先が日本の銀行か外国銀行の支店かは、対象金融機関の一覧に名前があるかで調べられます。
同じグループの別の銀行は、1,000万円の枠も別々に数える
預金保険の上限は、1つの金融機関ごとに預金を合算して数えます。親会社が同じでも、別に免許を受けた銀行であれば、それぞれに元本1,000万円の枠があります。
対象金融機関の一覧では、福岡銀行とみんなの銀行、きらぼし銀行とUI銀行、三菱UFJ銀行と三菱UFJエムット銀行が、それぞれ別の銀行として載っています。
反対に、同じ銀行のネット支店やアプリ専用の支店は、名前が違っても1つの銀行の中の支店です。本体の支店に預けた分と合わせて、元本1,000万円までが保護されます。
1つの銀行に1,000万円を超えて預ける場合は、財務の数字も確認しておく必要があります。数字の読み方は銀行の安全性を自分で確かめる方法で解説しています。
金利を見て迷った人、口座を開いた人
当編集部が確認したところ、次のような体験談がありました。
- キャンペーンで期間の長い定期に預けた後、ネット銀行の短い期間の金利を知って比べ直しているが、ネット銀行に預けること自体にも不安があるという相談
- 定期預金の金利の高さと、海外旅行のときの使い勝手を理由に、外資系グループの日本の銀行で口座を作ったという投稿
どちらも個人の体験で、時期や条件により異なります。預け先が保護の対象かどうかは、気になった時点で対象金融機関の一覧を開けば分かります。
新しい銀行に預ける前に、公式の資料で見る4つの項目
口座を開く前に、次の4つを預金保険機構の一覧と各行の商品説明書で確認してください。
- 預金保険機構の対象金融機関の一覧に、銀行名が載っているか
- 高い金利が付くのはどの商品で、誰が、いつまで申し込めるか
- 満期で自動継続されたとき、何%の金利に切り替わるか
- 同じ銀行の支店に預けた分と合わせて、元本が1,000万円を超えないか
預金の金利は、各行がそれぞれの判断で見直します。高い金利を目当てに預けた定期は、満期日を手帳に書いておけば、切り替わる前に次の預け先を探せます。
金利・商品の条件は記載時点のものです。預け入れ前に各行の最新の金利表と商品説明書でご確認ください。