X

定期預金の自動継続に注意|キャンペーン金利は初回満期まで

キャンペーン定期預金の特別金利が適用されるのは、原則として初回の満期日までです。満期後に自動継続で預けたままにすると、2巡目以降は継続した日の通常金利に切り替わります。

やっかいなのは、満期後も明細にキャンペーン名が残り続ける銀行があることです。表示だけを見て「まだ高金利で回っている」と思い込むと、受取利息が知らないうちに数分の1になります。

しかも2026年9月の日銀の利上げ以降、政策金利の変更後に預金金利を翌月初に見直す方針を示す銀行も出てきました。継続日がいつかによって、2巡目の金利そのものが変わる局面です。満期日の扱いと継続後の金利の決まり方は、各行の商品説明書とよくある質問で確かめられます(2026年10月5日確認)。

満期日を過ぎた定期預金は「継続」か「解約」のどちらかに進む

定期預金を作るとき、ほとんどの銀行では満期日の扱いをあらかじめ選びます。呼び方は銀行によって多少異なりますが、中身は次の3つに大別されます。

満期時の取り扱い満期日に起きること利息の行き先
元利継続(元利金継続型)元金に税引後利息を加えた額を、前回と同じ期間の定期預金として自動継続元金に組み入れられる(複利的に増える)
元金継続(元金継続型)元金だけを前回と同じ期間の定期預金として自動継続税引後利息は普通預金口座に入金
自動解約(自動払戻し型)定期預金は解約され、元金と税引後利息がまとめて普通預金口座に入金元金とともに普通預金へ

たとえばオリックス銀行のeダイレクト定期預金は、元利自動継続・元金自動継続・自動解約の3つから満期時の取り扱いを選ぶ方式です(2026年10月5日・公式の商品説明で確認)。

どの方式になっているかは、預入時に選んだまま忘れていることが多いものです。まずはアプリやインターネットバンキングの明細詳細で、現在の設定を確かめるところが出発点になります。

継続後の金利は「継続日当日の通常金利」——預けた日の金利ではない

自動継続で見落とされやすいのが、継続後の金利は最初に預けた日の金利ではなく、継続日(=満期日)当日にその銀行が表示している金利で決まるという点です。

オリックス銀行は、元利自動継続の場合「継続後の元利金には、満期日(継続日)当日のeダイレクト定期預金金利を適用します」と商品説明書に明記しています。同行の金利は原則として毎月1日と15日に見直されるため、預入時に見た数字とずれることは十分にあります。

ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)も、円定期預金の商品概要説明書で、自動継続の場合は継続日にWEBサイトに表示している金利を満期日まで適用すると定めています(いずれも2026年10月5日確認)。

これはキャンペーン定期では二重の意味を持ちます。第一に、預入時の特別金利は継続後には引き継がれないこと。第二に、継続日時点の金利水準しだいで、受け取る利息が預入時の想定から変わることです。

金利のある時代に戻った現在は、継続日の通常金利が預入時より上がっているケースもあり、自動継続が一方的に損とは限りません。ただし特別金利と通常金利の差は依然として大きく、「高金利のまま自動で回り続ける」という期待は原則として成り立たないと考えておくのが安全です。

利上げの直後は「継続日がいつか」で2巡目の金利が変わる

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.25%程度へ引き上げ、9月24日から適用しました(日本銀行「金融市場調節方針の変更について」)。銀行の預金金利がいつ、どこまで動くかは各行の判断で、反映の仕方にはばらつきがあります。

銀行利上げ後の対応(2026年10月5日時点)自動継続への影響
ドコモSMTBネット銀行10月1日に円普通預金・SBIハイブリッド預金の金利を引き上げ。政策金利の変更後は原則として翌月初に主な預金金利を見直す方針を公表。円定期預金の金利一覧は10月5日時点で改定なし継続日が見直しの前か後かで、継続後の金利が変わりうる
ゆうちょ銀行11月9日に通常貯金・通常貯蓄貯金の金利を引き上げると発表(定期貯金の金利は10月5日時点の金利一覧から変わっていない)自動払戻し後に通常貯金に置いた資金は、改定日以降の金利が付く

※各行の公式サイト・発表資料で2026年10月5日に確認。定期預金の金利が政策金利と同時に動くとは限りません。

満期日が月末前後にある定期預金は、継続日を待たずに解約して預け直すのか、そのまま継続させるのかで適用金利が変わることがあります。満期日の数日前に、継続日時点で適用されそうな金利と他行の同じ期間の金利を見比べておくと、判断の材料がそろいます。

明細にキャンペーン名が残っていても、特別金利は戻らない——auじぶん銀行の例

実際の例を見てみます。auじぶん銀行の「デビュー応援定期預金」は、新規に口座を開設した人を対象に、3ヶ月もの円定期預金へ年1.500%、1年ものへ年1.400%(いずれも税引前・2026年10月5日現在)の特別金利を適用するプログラムです。

特別金利が適用されるのは3ヶ月ものは当初3ヶ月のみ、1年ものは当初1年のみで、元利金継続型・元金継続型で自動継続された後は、満期日以降の同一期間の通常金利が適用されます。

注意したいのは、公式ページに「元利金継続型・元金継続型の場合、満期日以降も明細にプログラム名が表示されますが、特別金利の適用は当初期間のみ」と明記されている点です。

つまり、アプリの明細に「デビュー応援定期預金」と書かれたままでも、2巡目の金利は通常水準に戻っています。継続後の適用金利は、明細の名称ではなく「金利(年利)」の欄の数字で確かめてください。

デビュー応援定期預金の1年もの特別金利と、同行の1年もの通常金利の単純比較(税引前・2026年10月5日現在も同水準)

同行の1年もの円定期預金の通常金利は年0.500%です(2026年10月5日現在・auじぶん銀行の円定期預金ページで確認)。仮にこの水準のまま自動継続されたとすると、100万円に対する税引前利息は1年目の14,000円から2年目は5,000円へと3分の1近くに減ります。

各期間の金利水準や条件は、auじぶん銀行の円定期預金(1年もの)の解説記事にまとめています。差が生まれる仕組みそのものは、キャンペーン金利表示の読み方の記事で解説した「年率と預入期間の関係」と同じで、表示された数字ではなく実際の受取額で考える習慣が役立ちます。

そもそも自動継続されないキャンペーン定期もある——SBI新生銀行の例

一方で、キャンペーン性の強い定期預金には、最初から自動継続の選択肢がない商品もあります。

SBI新生銀行の「スタートアップ円定期預金」は新規に口座を開設した人限定の商品で、3ヶ月もの・1年ものとも年1.700%(税引前・2026年10月5日現在)が適用されます。商品説明書では満期日に元金・利息とも円普通預金へ入金する扱いと定められており、自動継続は選べません。

満期後に適用されるのは円普通預金の金利です。同行の円普通預金は年0.400%(スタンダードステージ・2026年10月5日現在)で、定期預金との差ははっきりしています。

自動解約型は「高金利だと思い込んだまま低い金利で継続され続ける」事態が起きない分、仕組みとしては分かりやすい設計です。裏を返せば、満期後に放置した資金は普通預金金利のまま眠ることになります。

満期をきっかけに次の預け先を選び直すことが前提の商品だと理解しておきましょう。自動継続型・自動解約型のどちらであっても、「満期日に何もしないとどうなるか」を預入前に商品概要説明書で確かめておくことが、キャンペーン定期と付き合う基本になります。

満期時の取り扱いは満期日の前日までに変更する

いま契約中の定期預金の設定を変えたい場合、多くのネット銀行ではアプリやインターネットバンキングから満期時の取り扱いを変更できます。ただし期限と変更できる範囲は銀行ごとに違います。

銀行変更の期限変更に関する主な条件
オリックス銀行(eダイレクト定期預金)満期日の前日までお客さま専用ページから手続き。元利自動継続・元金自動継続・自動解約の3つから選び直せる
auじぶん銀行(円定期預金)満期日前日の20:00まで変更できるのは「元利金継続型・元金継続型」から「自動払戻し型」への変更
ドコモSMTBネット銀行(円定期預金)満期日の前日まで(土日祝も可)期間指定方式なら、満期時の取扱いとあわせて継続後の預入期間も変更できる

いずれも満期日当日には変更できません。「満期日の前日まで」を一つの目安に、それより余裕をもって設定を見直すのが実務的です。

あわせて、継続後の預金を満期前に解約すると、預入時にさかのぼって低い中途解約利率が適用されます。解約時の利息がどれだけ減るかは中途解約利率の解説記事で詳しく説明しています。

満期をまたぐ前に決めておきたい3つのこと

ここまでの内容を、満期日を迎える前の実務に落とし込むと次の3点になります。

  • 満期日を把握しておく。キャンペーン定期は「預けた日」ではなく「満期日」を基点に損得が動きます。明細詳細で満期日を確認し、カレンダーや銀行の満期通知メールで気づける状態にしておきます。
  • 継続させるか、解約して預け直すかをあらかじめ決めておく。継続日時点の金利で満足できるなら放置も選択肢です。一方、満期のタイミングで各行の金利を見比べれば、より条件のよい預け先へ移す機会になります。
  • 使う予定のあるお金を自動継続に乗せない。継続された定期預金は次の満期まで再び拘束され、途中で下ろせば中途解約利率で利息が大きく減ります。使い道が決まっている資金は自動解約にしておくほうが安全です。

預け替えを考える場合、移し先のキャンペーンには新規資金限定などの適用条件が付いていることが多い点にも注意してください。条件の見方は適用条件チェックリストの記事で挙げたポイントが目安になります。

自動継続についてよくある疑問

Q. 自動継続された定期預金は、次の満期まで引き出せませんか?

A. 中途解約はいつでも申し出できますが、継続後の預入日から解約日までの期間に対して、その銀行所定の中途解約利率が適用されます。当初の約定利率より大幅に低くなるのが通常で、元本は減らないものの利息面では不利になります。

Q. 金利が上がっていれば、自動継続後の金利も高くなりますか?

A. はい。継続後は継続日時点でその銀行が表示する通常金利が適用されるため、金利水準が上がっていれば継続後の金利も上がります。ドコモSMTBネット銀行のように「継続日が特別金利キャンペーン期間中であれば継続日時点の特別金利を適用する」と案内している銀行もありますが、キャンペーンの多くは新規資金や新規口座開設などの条件付きです。

Q. 元利継続と元金継続は、どちらを選ぶのがよいですか?

A. 利息を再投資して増やしたいなら元利継続、利息は生活口座で使いたいなら元金継続という使い分けが基本です。元利継続では利息が元本に組み入れられて預入額が少しずつ増えるため、預金保険で保護される1金融機関あたり元本1,000万円とその利息の上限近くまで預けている場合は、残高の増え方にも目を配ってください。

Q. 自動継続をやめたい場合、いつまでに手続きすればよいですか?

A. 満期日の前日までとしている銀行が多く、auじぶん銀行のように「前日の20:00まで」と時刻まで決めている例もあります。期限も手続き方法も銀行ごとに異なるため、契約中の商品の商品概要説明書か、アプリ・インターネットバンキングの変更画面で確認してください。

Q. 満期後に預けたままの資金には、どの金利が付きますか?

A. 自動継続型なら継続日当日の定期預金金利、自動解約型なら普通預金金利です。定期預金と普通預金の金利差は小さくないため、自動解約型の商品では満期後に放置するほど機会損失が大きくなります。

まとめ——キャンペーン定期は「満期日から」が本番

キャンペーン定期預金の特別金利は初回の満期日までで、自動継続後は継続日当日の通常金利に切り替わります。明細にキャンペーン名が残っていても金利は戻っていること、自動継続されず普通預金に払い戻される商品もあること——この2点を知っておけば、「預けたまま放置」による機会損失は避けられます。

満期日を把握し、満期日の前日までに継続・解約の方針を決めておく。この習慣が、キャンペーン金利を最後まで生かす一番確実な方法です。

金利や満期時の取り扱いは変更されることがあるため、最新の条件は必ず各行の公式サイト・商品概要説明書でご確認ください。

参考・出典:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)/預金保険機構「預金保険制度の概要」(2026年10月5日確認)。各行の金利・商品条件はオリックス銀行・auじぶん銀行・SBI新生銀行・ドコモSMTBネット銀行・ゆうちょ銀行の公式サイトと商品説明書で確認しています。

webmaster: