X

定期預金の自動継続に注意|キャンペーン金利は初回満期まで

キャンペーン定期預金にお金を預けると、多くの人はそこで一区切りついた気持ちになります。しかし、定期預金には「満期日」というもう一つの節目があり、特別金利が適用されるのは原則として初回の満期日までです。満期後に「自動継続」で預けっぱなしにすると、2巡目以降は継続した日の通常金利に切り替わります。本記事では、各行の商品概要説明書やよくある質問を当編集部が2026年8月31日に確認した内容にもとづいて、満期日にお金がどう扱われるのか、継続後の金利がどう決まるのか、そして満期を迎える前に何を確認しておけばよいのかを整理します。

目次

満期日を過ぎた定期預金は「継続」か「解約」のどちらかに進む

定期預金を作るとき、ほとんどの銀行では満期日の扱いをあらかじめ選びます。呼び方は銀行によって多少異なりますが、中身は次の3つに大別されます。

満期時の取り扱い満期日に起きること利息の行き先
元利継続(元利金継続型)元金に税引後利息を加えた額を、前回と同じ期間の定期預金として自動継続元金に組み入れられる(複利的に増える)
元金継続(元金継続型)元金だけを前回と同じ期間の定期預金として自動継続税引後利息は普通預金口座に入金
自動解約(自動払戻し型)定期預金は解約され、元金と税引後利息がまとめて普通預金口座に入金元金とともに普通預金へ

たとえばオリックス銀行のeダイレクト定期預金は、この3つから満期時の取り扱いを選ぶ方式で、満期日の前日まで何回でも変更できます(2026年8月31日・公式サイトの操作案内で確認)。どの方式になっているかは、預入時に選んだまま忘れていることが多いので、まずはアプリやインターネットバンキングの明細詳細で現在の設定を確かめるところが出発点です。

継続後の金利は「継続日当日の通常金利」——預けた日の金利ではない

自動継続で見落とされやすいのが、継続後の金利は最初に預けた日の金利ではなく、継続日(=満期日)当日にその銀行が表示している金利で決まるという点です。オリックス銀行は「継続後の金利は継続日当日の金利が適用され、画面に表示されている金利とは限らない」と明記していますし、ドコモの銀行(旧・住信SBIネット銀行)もよくある質問で「継続日に当社WEBサイト上に表示する円定期預金の金利を継続後の満期日まで適用する」と説明しています(いずれも2026年8月31日確認)。

これはキャンペーン定期では二重の意味を持ちます。第一に、預入時の特別金利は継続後には引き継がれないこと。第二に、継続日時点の金利水準しだいで、受け取る利息が預入時の想定から大きく変わることです。金利のある時代に戻った現在は、継続日の通常金利が預入時より上がっているケースもあり、自動継続が一方的に損とは限りません。ただし、キャンペーンの特別金利と通常金利の差は依然として大きく、「高金利のまま自動で回り続ける」という期待は原則として成り立たないと考えておくのが安全です。

明細にキャンペーン名が残っていても、特別金利は戻らない——auじぶん銀行の例

ここで実際の例を見てみます。auじぶん銀行の「デビュー応援定期預金」は、新規口座開設者を対象に3ヶ月もの円定期預金へ年1.350%、1年ものへ年1.200%(いずれも税引前・2026年8月31日現在)の特別金利を適用するプログラムです。この特別金利が適用されるのは3ヶ月ものは当初3ヶ月のみ、1年ものは当初1年のみで、元利金継続型・元金継続型で自動継続された後は、満期日以降の同一期間の通常金利が適用されます。

注意したいのは、公式ページに「元利金継続型・元金継続型の場合、満期日以降も明細にプログラム名が表示されますが、特別金利の適用は当初期間のみ」と明記されている点です。つまり、アプリの明細に「デビュー応援定期預金」と書かれたままでも、2巡目の金利は通常水準に戻っています。明細の表示だけを見て「まだ高金利で運用できている」と思い込むのは、この仕組みを知らないと起こりやすい誤解です。継続後の適用金利は、明細の名称ではなく「金利(年利)」の欄の数字で確かめてください。

デビュー応援定期預金の特別金利と、同ページの計算例に記載された1年もの通常金利の単純比較(2026年8月31日現在・税引前・1年を365日として計算)

同ページの利息計算例に記載された1年ものの通常金利は年0.510%(2026年8月31日現在)です。仮にこの水準のまま自動継続されたとすると、100万円に対する税引前利息は1年目の12,000円から2年目は5,100円へと半分以下になります。差が生まれる仕組みそのものは、キャンペーン金利表示の読み方の記事で解説した「年率と預入期間の関係」と同じで、表示された数字ではなく実際の受取額で考える習慣が役立ちます。

そもそも自動継続されないキャンペーン定期もある——SBI新生銀行の例

一方で、キャンペーン性の強い定期預金には、最初から自動継続の選択肢がない商品もあります。SBI新生銀行の「スタートアップ円定期預金」(新規口座開設者限定・3ヶ月もの年1.400%、1年もの年1.550%・税引前・2026年8月31日現在)は、満期取り扱いが自動解約型のみで、満期日に元金と利息が普通預金口座へ入金され、以降は円普通預金の店頭表示金利が適用されます。

自動解約型は「高金利だと思い込んだまま低い金利で継続され続ける」事態が起きない分、仕組みとしては分かりやすい設計です。ただし裏を返せば、満期後に放置した資金は普通預金金利のまま眠ることになります。定期預金の通常金利と普通預金金利にはまだ差がありますから、満期をきっかけに次の預け先を選び直すことが前提の商品だと理解しておきましょう。自動継続型・自動解約型のどちらであっても、「満期日に何もしないとどうなるか」を預入前に商品概要説明書で確かめておくことが、キャンペーン定期と付き合う基本になります。

満期時の取り扱いは満期日の前日まで変更できる

いま契約中の定期預金の設定を変えたい場合、多くのネット銀行ではアプリやインターネットバンキングから満期時の取り扱いを変更できます。オリックス銀行の場合、お客さま専用ページの「満期時取り扱い変更」から満期日前日まで何回でも変更でき、預入金額や期間を変えて預け直したいときは、いったん「自動解約」に変更して満期を迎えてから、改めて定期預金を作成する手順になります(2026年8月31日確認)。

変更の期限や手順は銀行ごとに異なり、満期日当日には変更できないのが一般的です。「満期日の前日まで」を一つの目安に、それより余裕をもって設定を見直すのが実務的です。あわせて、継続後の預金を満期前に解約すると、預入時にさかのぼって低い中途解約利率が適用されます。解約時の利息がどれだけ減るかは中途解約利率の解説記事で詳しく説明しています。

満期をまたぐ前に決めておきたい3つのこと

ここまでの内容を、満期日を迎える前の実務に落とし込むと次の3点になります。

1つ目は、満期日を把握しておくこと。キャンペーン定期は「預けた日」ではなく「満期日」を基点に損得が動きます。明細詳細で満期日を確認し、カレンダーやリマインダーに入れておくと、気づいたら継続されていたという事態を防げます。

2つ目は、継続させるか、解約して預け直すかをあらかじめ決めておくこと。自動継続でも継続日時点の金利は適用されるため、通常金利で満足できるなら放置も選択肢です。一方、満期のタイミングで各行の金利やキャンペーンを見比べれば、より条件のよい預け先へ移す機会になります。その際、預け替え先のキャンペーンには新規資金限定などの適用条件が付いていることが多いので、適用条件チェックリストの記事で挙げたポイントを預入前に確認してください。

3つ目は、使う予定のあるお金を自動継続に乗せないこと。継続された定期預金は次の満期まで再び拘束され、途中で下ろせば中途解約利率で利息が大きく減ります。半年後・1年後に使い道が決まっている資金は、満期時の取り扱いを自動解約にしておくほうが安全です。

自動継続についてよくある疑問

自動継続された定期預金は、次の満期まで引き出せませんか?

中途解約はいつでも申し出できますが、継続後の預入日から解約日までの期間に対して、その銀行所定の中途解約利率が適用されます。当初の約定金利より大幅に低くなるのが通常で、元本は減らないものの利息面では不利になります。

金利が上がっていれば、自動継続後の金利も高くなりますか?

はい。継続後は継続日時点でその銀行が表示する通常金利が適用されるため、金利水準が上がっていれば継続後の金利も上がります。なお、ドコモの銀行のように「継続日が特別金利キャンペーン期間中であれば継続日時点の特別金利を適用する」と案内している銀行もありますが(2026年8月31日・公式FAQで確認)、キャンペーンの多くは新規資金や新規口座開設などの条件付きで、継続分は対象外になるのが一般的です。自分の継続分に何が適用されるかは、各行の要項と継続後の明細で確認してください。

元利継続と元金継続は、どちらを選ぶのがよいですか?

利息を再投資して複利的に増やしたいなら元利継続、利息は生活口座で使いたいなら元金継続という使い分けが基本です。1点だけ補足すると、元利継続では利息が元本に組み入れられて預入額が少しずつ増えるため、預金保険で保護される「1金融機関あたり元本1,000万円とその利息」の上限近くまで預けている場合は、残高の増え方にも目を配っておくと安心です。

自動継続をやめたい場合、いつまでに手続きすればよいですか?

満期日の前日までとしている銀行が多く、たとえばオリックス銀行は満期日前日まで何回でも変更可能です。ただし期限や手続き方法は銀行ごとに異なるため、契約中の商品の商品概要説明書か、アプリ・インターネットバンキングの変更画面で確認してください。

まとめ——キャンペーン定期は「満期日から」が本番

キャンペーン定期預金の特別金利は初回の満期日までで、自動継続後は継続日当日の通常金利に切り替わります。明細にキャンペーン名が残っていても金利は戻っていること、自動継続されず普通預金に払い戻される商品もあることを知っておけば、「預けたまま放置」による機会損失は避けられます。満期日を把握し、満期日の前日までに継続・解約の方針を決めておく——この習慣が、キャンペーン金利を最後まで生かす一番確実な方法です。金利や満期時の取り扱いは変更されることがあるため、最新の条件は必ず各行の公式サイト・商品概要説明書でご確認ください。

webmaster: