日本銀行が2026年6月16日の金融政策決定会合で政策金利を年1.0%程度へ引き上げ、約31年ぶりの高水準となったことで、定期預金を取り巻く環境は大きく変わりました。2026年8月時点では、1年もの定期預金で年1%を超える金利を提示する銀行が複数あり、預け先を選ぶだけで受け取る利息に3倍以上の差がつく局面です。この記事では主要ネット銀行・大手行の金利を2026年8月15日に各行公式サイトで確認した数字で比較し、税引後にいくら残るのか、条件のどこを見るべきかまで整理します。金利は随時改定されますので、預け入れ前に必ず最新の金利をご確認ください。
目次
2026年8月の定期預金金利比較(1年もの・税引前)
まず押さえておきたいのは、高金利をうたう定期預金には「誰でも預けられるもの」と「新規口座開設者限定のもの」の2種類があるということです。数字だけを一列に並べると、条件の違いが見えなくなります。ここでは分けて掲載します。
誰でも預け入れられる1年もの
| 銀行名 | 1年もの金利(税引前) | 条件・備考 |
|---|---|---|
| auじぶん銀行 | 年1.300% | 夏の1年もの特別金利キャンペーン2026(2026年8月31日まで・1万円以上・預入額と回数に上限なし) |
| オリックス銀行 | 年1.250% | eダイレクト定期預金(通常金利・100万円以上。3年 年1.350%/5年 年1.400%) |
| 静岡銀行 | 年1.200% | ウルトラ金利定期預金・インターネット支店限定(2026年9月30日まで・10万円以上。3年 年1.350%) |
| あおぞら銀行 | 年1.200% | BANK The 定期(BANK口座限定・50万円以上。5年 年1.500%) |
| SBI新生銀行 | 年1.200% | パワーダイレクト円定期預金30(インターネット限定・30万円以上。3年 年1.560%/5年 年1.950%) |
| ゆうちょ銀行 | 年0.500% | 定期貯金1年(2026年8月10日から適用。5年 年1.000%/10年 年1.250%) |
| 三菱UFJ銀行 | 年0.500% | スーパー定期(300万円未満・300万円以上とも同率。5年 年1.000%/10年 年1.250%) |
新規口座開設者限定の1年もの
| 銀行名 | 1年もの金利(税引前) | 条件・備考 |
|---|---|---|
| オリックス銀行 | 年1.650% | eダイレクト定期預金 優遇金利プログラム(口座開設日から翌々月末日まで・100万円以上。2年 年1.700%/5年 年1.750%) |
| SBI新生銀行 | 年1.550% | スタートアップ円定期預金(2026年7月10日改定・口座開設月を含む当初3ヵ月目の月末まで・インターネット30万円以上/店舗500万円以上。3ヵ月ものは年1.400%) |
※金利はいずれも税引前の年利率で、2026年8月15日に各行公式サイトで確認した内容です(オリックス銀行は2026年8月3日現在、あおぞら銀行は2026年8月1日現在、ゆうちょ銀行は2026年8月10日現在、三菱UFJ銀行は2026年8月14日現在の公式表示)。条件・金利は随時変動し、キャンペーンには期間・最低預入金額などの条件があります。
なお、2026年7月まで実施されていた楽天銀行の「円定期預金 夏のボーナスキャンペーン第2弾」(1年もの 年1.200%)は2026年7月31日で終了しています。ボーナス期のキャンペーンは終了日を過ぎると通常金利に戻りますので、比較サイトや過去記事の数字をそのまま信じないよう注意してください。
税引後にいくら残るのか、金額で確かめる
定期預金の利息には20.315%(国税15.315%〈復興特別所得税を含む〉・地方税5%)が源泉徴収されます。手元に残るのは税引後の金額です。1年もの・単利で預けた場合の受取利息の概算を、大手行の水準(年0.500%)と比べてみます。
| 預入額(1年もの) | 年0.500% (大手行の1年もの) |
年1.300% (誰でも預けられる最高水準) |
年1.650% (新規口座開設者向け最高水準) |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 約3,985円 | 約10,360円 | 約13,140円 |
| 300万円 | 約11,950円 | 約31,070円 | 約39,440円 |
| 500万円 | 約19,920円 | 約51,790円 | 約65,740円 |
※1年を365日とした単利の概算です。実際の受取額は預入日数や1円未満の端数処理により多少前後します。
300万円を1年預けた場合、大手行と最高水準の差は年間で約2万7,000円です。金利の差は「0.5%と1.65%」と書くと小さく見えますが、受け取る利息は3倍以上になります。まとまった資金ほど、預け先を選ぶ手間に見合うリターンが出ます。
金利の数字より先に確認したい4つの条件
高金利定期は、金利の裏側に必ず条件が付いています。申し込む前に次の4点を順番に確認すると、あとから「思っていたのと違う」となりにくくなります。
①誰が対象か。 新規口座開設者限定か、既存の口座保有者も使えるか。最上位の金利はたいてい新規限定です。
②いつまでか。 キャンペーンには終了日があります。auじぶん銀行の特別金利は2026年8月31日まで、静岡銀行のウルトラ金利は2026年9月30日までです。募集金額に達した時点で期日前に終了する商品もあります(静岡銀行は1年もの・3年もの合計500億円が上限と案内されています)。
③いくらから預けられるか。 最低預入金額は商品によって10万円から300万円以上まで幅があります。オリックス銀行のeダイレクト定期預金は100万円以上、あおぞら銀行のBANK The 定期は50万円以上、静岡銀行のウルトラ金利は10万円以上です。
④満期後はどうなるか。 ほとんどのキャンペーン金利は初回の預入期間だけの適用で、自動継続後はその時点の店頭表示金利に戻ります。「一度預ければずっと高金利」ではありませんので、満期の時期はカレンダーに入れておきましょう。
まとまった資金は複数の銀行に分けるのが基本
利息を最大化しようとすると、どうしても1行に集中させたくなります。しかし定期預金を選ぶうえで金利と同じくらい大事なのが預金保険制度(ペイオフ)の範囲です。保護されるのは1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息などで、これは同じ銀行内の普通預金・定期預金を合算した金額です。
資金を分ける前提で考えると、新規口座開設者向けの高金利をひとつずつ使っていくのは理にかなった進め方になります。新規口座開設者向けの水準ではSBI新生銀行のスタートアップ円定期預金が1年もの 年1.550%(インターネットなら30万円から)で、口座開設月を含む当初3ヵ月目の月末まで申し込めます。同行は既存の口座保有者向けにもパワーダイレクト円定期預金30を用意していて、3年 年1.560%・5年 年1.950%と長めの期間で高い水準を確保できるのが特徴です。SBI証券と連携できるSBIハイパー預金(年0.550%)を待機資金の置き場所にすれば、満期資金を遊ばせずに次の預け先を探せます。金利・条件は改定されることがありますので、最新情報はSBI新生銀行の円預金金利一覧でご確認ください。
短期の資金はauじぶん銀行のキャンペーン(1年もの 年1.300%・6ヶ月もの 年1.270%、いずれも2026年8月31日まで)、地方銀行のネット支店を使うなら静岡銀行のウルトラ金利、というように期間と金額で使い分けると、無理なくペイオフの範囲に収まります。
資金移動の手数料で利息を削らない
複数の銀行を使い分けるなら、金利と同じくらい他行あて振込手数料とATM手数料を見ておく必要があります。100万円を1年預けて得られる税引後の利息は、年1.300%でも約10,360円です。資金を動かすたびに数百円の手数料がかかると、利息の一部がそこで消えてしまいます。
ネット銀行の多くは、他行あて振込が月数回まで無料になる仕組みを用意しています。オリックス銀行のeダイレクト預金は他行あて振込が月2回まで無料(3回目以降1回220円・税込)、静岡銀行のインターネット支店はセブン銀行ATMの出金が月3回まで無料と案内されています。満期資金をどこへ戻すのかまで想定して、無料回数の範囲に収まるか確認しておくと無駄がありません。手数料体系は変更されることがありますので、最新の条件は各行公式サイトでご確認ください。
「高金利」に見えても定期預金ではない商品に注意
金利が上がる局面では、より高い利回りをうたう商品にも目が向きがちです。ただし「仕組預金」や外貨預金は、中途解約時や為替の状況によって元本割れが起こりうる商品で、元本が保証される通常の定期預金とは性質がまったく異なります。
たとえば銀行側が満期を決められるタイプの円建て仕組預金には、年2%を超える金利が提示されることがあります。しかしこうした商品は原則として中途解約ができず、銀行が応じた場合でも元本を大きく下回る可能性があると各行の重要事項に明記されています。外貨建てのものは、円に戻すときの為替次第で元本割れします。
まとまった資金の預け先を選ぶときは、金利の高さの前に元本が保証されるか、預金保険の対象かを確認してください。この記事の比較表に掲載しているのは、いずれも預金保険の対象となる円建ての定期預金・定期貯金です。
よくある質問(FAQ)
Q. 定期預金は元本割れしますか?
A. 通常の円定期預金は元本が保証される金融商品です。普通預金と同様に預金保険制度の対象で、1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までが保護されます(2026年8月時点)。ただし、名前が似ていても「仕組預金」や外貨預金は元本割れの可能性があるため、別物として区別してください。
Q. 「新規口座開設者限定」の高金利は、口座を作り直せば何度でも使えますか?
A. 使えません。多くの銀行では過去に取引のあった方や、すでに口座を持っている方は対象外と定められています。また対象になる期間も「口座開設月を含む当初3ヵ月目の月末まで」「口座開設日から翌々月末日まで」のように限られます。使えるのは基本的に1行につき一度きりと考え、預けたい金額とタイミングが決まってから口座を開くほうが有利です。
Q. 1,000万円を超える資金はどう預ければよいですか?
A. 預金保険で保護されるのは1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までです。それを超える分は、破綻時に全額が戻る保証がありません。複数の金融機関に分けて預けるのが基本的な考え方になります。なお同じ銀行の別支店に分けても合算されますので、分散の単位は「支店」ではなく「金融機関」である点に注意してください。
Q. 普通預金に置いておくのと定期預金、どちらが有利ですか?
A. すぐ使う予定のない資金なら、現状は定期預金のほうが有利です。普通預金は三菱UFJ銀行・ゆうちょ銀行がいずれも年0.400%(2026年8月時点)で、1年もの定期預金の最高水準とは1%以上の差があります。ただし普通預金でも、あおぞら銀行のBANK支店(100万円以下 年1.000%・2026年8月1日現在)のように高い金利を設定している銀行があります。「いつ使うか決まっていないお金」は高金利の普通預金、「1年以上動かさないお金」は定期預金、と役割で分けると管理しやすくなります。金利は変動しますので、最新の水準は各行公式サイトでご確認ください。