横浜銀行が2017年6月26日から定期預金の一部を神奈川県の奨学金基金に寄付する定期預金の取り扱いを開始しました。
寄付付きの定期預金の取り扱いは横浜銀行としては初。他の銀行の事例では、ゆうちょ銀行のボランティア貯金、三菱UFJ銀行のボランティア普通預金などがあります。さっそく横浜銀行の寄付付き定期預金の商品概要を確認してみましょう。
横浜銀行の寄付付き定期預金(かながわの未来応援定期預金)の概要
商品名 | かながわの未来応援定期預金 |
取扱期間 | 2017年6月26日(月)~2017年9月29日(金) |
取扱窓口 | 店頭窓口 |
預入可能金額 | 1人あたり10万円以上1000万円まで |
対象商品 | 預入期間が6か月のスーパー定期を預け入れること
※満期時取扱い方法として自動継続を選択する必要あり ※横浜銀行に預入中の定期預金を中途解約しての預入は不可 |
適用金利 | 年0.04%(税引後年0.031874%) |
受取利息試算例: | <500万円を6か月(181日)預け入れた場合>
500万円×0.031874%×181日/365日=791円(税引後の受取利息) |
寄付金試算例 | <2017年9月29日時点の残高が500万円だった場合>
500万円×0.01%=500円 |
寄付先 | 神奈川県奨学金基金
神奈川県動物保護センター建設基金 湘南海岸砂防林保護事業 |
横浜銀行の寄付付き定期預金への印象
神奈川県を地場として営業している横浜銀行が初めて提供する寄付付き定期預金ですので、寄付先が神奈川県に関連しているのは自然ですね。また、自動的に寄付する仕組みを提供することは銀行の果たすべき役割・公共性の観点でも非常にすばらしい取り組みだと思います。気になるのは、定期預金の満期時取扱い方法を自動満期を選ぶことに限定していたり、横浜銀行にすでにある定期預金の預け替えを禁止していたりする点です。地元に寄付するという素晴らしい取り組みにも拘わらず、寄付が終わった後も自動的に継続するタイプの定期預金にしたり、寄付したいとしても、既に自分たちの銀行にある定期預金の預け替えはダメという制限を加えていたり、銀行のメリットを保とうとする意識が見え隠れしてしまいます。
また、やはり受け取れる利息や寄付金額が少ない印象があります。例えば新生銀行のスタートアップ円定期預金(3か月もの・年0.5%)に500万円を預け入れたとしたら3か月後の受取利息は4000円を超えます。そこから3000円を寄付したとしても1000円以上残る計算になりますので雲泥の差ですね。この商品は、寄付という行為を自動的に行える優れた仕組みですが、自身が受け取れる利息も寄付金のいずれもより金利の高い定期預金を探すことで実現できてしまうという点は理解しておいた方がよいかもしれません。