老後貧乏とは?その実態と老後貧乏にならないためのルール作り

老後貧乏・下流老人とは?

この数年、各種報道番組やニュースでも耳にする機会が増えた「老後貧乏」や「下流老人」という言葉。良い響きの言葉ではありませんが、老後貧乏・下流老人の実態を取り上げた書籍も数多く販売されるなど日本の高齢化社会と格差拡大を象徴するキーワードとなってきています。ただ、「老後貧乏」や「下流老人」という言葉は明確な基準があるものではなく、老後の生活をイメージしやすいようにするためにできたような言葉です。繰り返しですが、老後貧乏に明確な定義はありません。言葉どおり、老後にゆとりある生活を行うためのお金がない(≒貯金も収入もない)状態になってしまうことを表した言葉です。少し失礼であり適切な言葉ではないと思いますが、今現在、経済的に余裕がない人たちに向けた言葉ではなく、そうならないようための準備を喚起する時に利用されている言葉と考えれば、非常にわかりやすいと言えるでしょう。

 

さて、老後に必要になるお金は、求める生活水準やマイホームの状況や子供の有無など千差万別で一言で表現でくるものではありません。この特集コラムでは、なぜこの老後貧乏や下流老人という言葉が注目を集めるようになったのか、そして、今の日本を取り巻く環境はどうなっているのか。将来、老後貧乏にならないためのルール作りや現役世代・資産形成(これから資産を作っていく)世代と言われる30代・40代のうちにどのようなことを意識すべきなのかを取り上げてみたいと思います。

 

既に700万人が貧困状態にあると言われる日本、その実態は?

とある調査結果によると、今現在、日本に在住する約3,300万人の高齢者のうち、2割を超える700万人が老後貧乏、つまり、貧困状態にあると言われています。ここで気になるのは貧困状態の定義です。この調査結果では、1人暮らしをしている高齢者の所得が年間122万円未満、高齢者2人で暮らしている場合の所得が170万円をその定義としているようです。仮に1人暮らしで年122万円の所得に満たない場合、毎月の支出を10万円以内としなければなりません。10万円あればゆとりがある言えるわけではないと思いますが、月10万円未満で生活するのは、ゆとりある生活でないというのは遠からずではないでしょうか。

ただし、貯蓄があると話は変わってきます。例えば65歳の時点で3000万円の貯蓄があった場合、毎年120万円ずつ切り崩したとしても、25年間はその貯金が残ることになります。25年間経ったときには90歳になります。毎年の120万円の切り崩したお金に所得122万円を加えることで年間約240万円になります。この場合、65歳から90歳になるまでの25年間は月20万円で生活することができるわけですね。手取りで20万円ということはサラリーマンの給料で言うと25万円に近いわけで、20代のサラリーマンよりも使えるお金が多い計算になります。もし住宅が持ち家で毎月の賃料が発生しない状態であれば、生活費はかなり抑えられますので、これだけあれば贅沢はできないかもしれませんが、ゆとりある老後生活を送ることができるとと言えるでしょう。

貯蓄を作れないまま老後を迎えてしまう人が多い

さて、それでは今の60代の皆さんはどれぐらい貯蓄しているのでしょうか?総務省が行っている家計の貯蓄調査では、60代の1人暮らし世帯の貯蓄の平均は1500万円と言う結果がでています。「みんなそんなに貯蓄しているの?」という第一印象ですが、実際には格差が広がっており二極化しています。極端な言い方をすると、貯蓄が全くできていない人と3000万円以上の貯蓄ができている人にわかれていて、結果として1500万円が平均値になっているわけです。実際には、貯蓄が全くできていないまま高齢を迎えてしまう人が非常に多くこれが今の日本の大きな課題の1つになっているわけですね

 

今後、更に老後の生活が厳しくなる人が増加する?

残念ながら、「答えはその可能性が極めて高い」です。その理由はたくさんあるわけですが、いくつか主要なポイントをあげてみたいと思います。

  1. 少子高齢化が進み、年金制度はさらに厳しい状況に。今後は、受給年齢(受け取れる年齢)の引き上げや需給金額(受け取れる金額)も減額される可能性が高い。
  2. 生涯未婚や子供が0人・1人の夫婦が増加。加えて、非正規雇用の拡大などにより現役世代も経済力が二極化し、子からの支援は期待しにくい状況に陥る可能性が高い。
  3. 日本の景気を取り戻すために、インフレ政策が行われた場合、徐々に物価は上昇。”お金の価値”は相対的に低下していく。仮にインフレが進み、好景気になった時に収入が比例して増える可能性が高いのは現役世代。貯蓄や決まったお金しか受け取れない高齢者世帯の生活を逼迫させる1つの要因になりうる。
  4. 年金を納めていない人が増加しており、その結果、働けなくなってしまった途端に、収入が一切なくなってしまう人も増加傾向に。

他にも老後生活が不安になる例を挙げたらキリがありませんね。もちろん、世界的に見れば先進国で裕福な国である日本に生まれただけで私たちは恵まれているわけですが、国民総中級と言われた時代はずいぶん昔に終焉を迎え、日本は若年層から高齢者まで富裕層と貧困層の二極化がどんどんと進んでいます。そんな状況においては、自分自身の手で積極的に老後に備えていくことが今後、どんどん重要になっていくと考えなければならないでしょう。

現役世代のうちにやるべきこと

この手の記事では「貯蓄」や「積立」「保険」などの説明ばかりで、あまり触れられることがないのですが、現役世代の強みは働けること。つまり、収入があることであり、まず最初に考えるべきは「収入を増やせないか」です。「収入を増やすこと」も当然ですが「今の収入を維持したり、減らさないこと」もしっかりと意識しなければなりません。前者であれば転職や起業かもしれませんし、後者であれば会社を辞めない、出世できるように心がけるという行動に繋がっていくでしょう。入ってこないお金は貯められません。その為には収入を増やす必要があるわけです。

次に効果があるのは、筆者は「結婚」だと思っています。もちろん、「結婚」は相手ありきの話なので簡単にできるものではありません。後ほども説明しますが、老後にしっかりと備えるには「ルール」を自分で作っておくことが必要になってきます。ルールは作るのは簡単でも守るのが難しいものです。ルールを継続的に守っていくには、そのルールを守れる「仕組み」を作らなければなりません。その「仕組み」の1つが「結婚」だと考えています。自分を自分一人でコントロールすることは非常に難しいものです。誰かに牽制されたり、誰かと一緒に目標に向かっていく「仕組み」と言い換えることができる「結婚」は、ルールを守るための非常に効果的です。実際、総務省の家計調査においても「2人以上で住んでいる高齢者」の貯蓄が1人暮らしの高齢者の2倍以上あります。なんとなく「1人はお金もかからなくて幸せ」「独身貴族」という言葉を耳にするので、「独身の方がお金がある」と勘違いしてしまうのですが、全対的には既婚者の世帯の方が60代での貯蓄は多いという結果になっています。理論上は独身の方が可処分所得は高いはずなので、本来は貯蓄も多くなって当然なのですが。アリとキリギリスがしっくりくる言葉かもしれませんね。

 

仕組みづくりに話を戻します。「収入」が決まってくれば、その中から「貯蓄」にどうやって回すかという話になります。やり方は千差万別ですが、もっとも簡単で誰でもできるのが、毎月積み立てる積立の定期預金です。先ほども話しましたが、「ルール」を決めてしまうことと、その「仕組み」を作ってしまうことが重要ですので、どこかの銀行の積立定期預金を申し込んでしまって、収入が入ると同時に積み立ててしまうような形をとってしまうと良いでしょう。

例えば、30歳から65歳まで毎月2万円を積み立てた場合、840万円+利息の貯蓄がたまります。低金利時代を迎えているので利息は無いに等しいとしても、2万円の貯蓄だけでも840万円貯まるわけです。結婚して2人で家計を共にしているのであれば、1人につき毎月1万円でもかまいませんし、共働きであれば1人につき毎月2万円にすれば、貯蓄のペースは2倍。1680万円+利息が貯まる計算になります。

もちろん、収入があがれば貯蓄金額を増やせばよいですし、子供が生まれたら金額を減らしてもかまいません。よく、ライフプランを見直して・・・とか、生活費を組み立てなおして・・・とか難しいことを説明している金融のプロの人たちがいます。それ自体を否定するわけでは決してありませんが、難しくてとかごちゃごちゃして・・・とか言って尻込みしてしまう人が多くいますし、日ごろのお金の使い方を見直して、人生設計をしっかりと立てることができたら苦労しません。そんな人はきっともう貯蓄が貯まってきている人でしょう。

 

老後貧乏・下流老人になりたくない!という人は、まずはしっかりと貯蓄をする。”積立はじめる”というところからスタートするのが良いと考えています。

 

次に考えなければならないのが、老後の所得の問題です。通常は「年金」がこれに該当するわけですが、国の運営する年金制度は年々条件が悪くなる一方なので、「自分自信で年金を作っていく」という方法が重要になってきています。個人年金保険とかそういう類の金融商品を利用することですね。

 

そういった所まで視線を向けられる人にぜひ活用してほしいのが「個人型確定拠出年金(イデコ)」です。この商品を詳しく説明するとそれだけで長くなってしまいますので、時間のある方はこちらの記事も参照いただければと思いますが、簡単に、かつ誤解を恐れずに説明すると、先ほどの「積立型の定期預金」の預け入れ方をちょっと面倒な方法に変えて、積立しながら節税できる商品です。

 

この商品は、サラリーマンの場合毎月最大23000円までと上限が定められて、毎年積み立てた金額が所得から控除される仕組みになっています。つまり、納めた税金が一部戻ってくるというすぐれものです。つまり、将来受け取れる年金を貯めながら、貯めている期間の税金を抑えるという非常に優れた仕組なのです。なお、この商品は年金受け取り前提となっていますので、同じ積立でも「老後になった時点での貯蓄」というよりも、「老後の所得」を確保する為の「仕組み」として捉えておきましょう。

 

もちろん、投資信託だとか外貨預金だとか貯蓄型の保険商品に株。社債や国債など、資産運用と呼ばれる金融商品はまだまだたくさんあります。それらの商品の利用を否定するわけではありませんが、老後貧乏・下流老人にならないための第一歩の資産運用は間違いなく積立。それも元本が保証される円の定期預金での積立です。

 

ゆとりある老後のためにそのルール作りと仕組作りを少しでも早く始めるようにしましょう!

(年を重ねていくと老後に対する不安はどんどん高まっていきます。少しずつ備えができているとその不安が軽減されるものです。)

 

最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が皆様の参考になれば幸いです。

 

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