定期預金の中途解約利率とは?主要行の計算ルールと解約方法

定期預金の解約条件を確認する人のイメージ

定期預金は「満期日まで引き出さない」ことを前提に、普通預金より高い金利で預け入れる商品です。とはいえ、急にまとまったお金が必要になり、満期日を待たずに解約したい場面もあります。金利が上昇している局面では、今より高い金利の定期預金に乗り換えるために中途解約を考える方もいるでしょう。本記事では、満期前に解約したときに適用される「中途解約利率(期限前解約利率)」の決まり方を、主要な金融機関が公表しているルールを見比べながら整理し、元本の扱い・利息がどれだけ減るかの試算例・解約方法・損をしないためのポイントまでを、堅実に資産を預けたい方向けにわかりやすく解説します。

目次

定期預金は満期前でも解約できる

定期預金は、最初に預入期間を決めて預け入れる預金です。「一定期間は引き出さない」という条件を受け入れる代わりに、いつでも引き出せる普通預金よりも高い金利で預けられる仕組みになっています。

では満期日まで絶対に解約できないかというと、そうではありません。商品説明書には「当行がやむを得ないと認める場合を除き、満期日前の解約はできません」と書かれているのが一般的ですが、実務上は事情があれば満期日より前に解約できます。これは金融機関によって呼び方が異なり、一般に「定期預金の中途解約」または「期限前解約」と呼ばれます。

中途解約にはペナルティ(利率の引き下げ)がある

中途解約・期限前解約は、「一定期間引き出さない」という当初の約束を途中でやめることになるため、ペナルティがあります。ただしペナルティといっても、預け入れた元本そのものが減ることはありません。外貨預金・仕組預金(仕組み預金)のように元本割れするわけではなく、受け取れる金利(利息)が当初の約定利率より低くなるという形でのペナルティです。

この「下がったあとの利率」が、商品説明書(商品概要説明書)や預金規定に「中途解約利率」「期限前解約利率」「預入期間内払戻利率」などの名称で記載されています。実は、預け入れる時点であらかじめ決まっているので、解約する前に確認しておくと安心です。

中途解約利率の決まり方には大きく2つの型がある

具体的な計算方法は金融機関・商品ごとに定められていますが、公表されている規定を読み比べると、おおむね次の2つの型に分かれます。

  • 【型1】経過期間に対応する「短い預入期間の利率」に一定の割合を掛ける
    たとえば1年ものを8か月で解約したら、「預入日時点の6か月ものの利率 × ○○%」を使う、という考え方です。三菱UFJ銀行のスーパー定期(70%)、ゆうちょ銀行の定期貯金(60%)がこの型です。
  • 【型2】約定利率(当初の利率)そのものに、経過期間に応じた割合を掛ける
    預けてからの期間が長いほど掛ける割合が上がっていく段階方式で、SBI新生銀行のパワーダイレクト円定期預金がこの型です。

いずれの型でも共通しているのは、預入から6か月未満で解約すると普通預金並みの利率まで下がること、そして普通預金の利率が下限になることです。ただし、この「普通預金の利率」が解約日時点のものか預入日時点のものかは金融機関によって違うため、金利が動いている局面では結果に差が出ます。

主要な金融機関の中途解約利率ルール(各社の公表内容より)

金融機関・商品6か月未満で解約した場合6か月以上経過した場合下限
三菱UFJ銀行
スーパー定期
解約日における普通預金の利率預入日における店頭表示の「経過期間に対応する期間」の利率×70%解約日の普通預金利率を下回らない
ゆうちょ銀行
定期貯金
預入日時点の通常貯金の利率預入日時点の「経過期間に対応する期間」の約定利率×60%預入日時点の通常貯金の利率を下回らない
SBI新生銀行
パワーダイレクト円定期預金
解約日における普通預金の利率約定利率×30〜90%(預入期間と経過期間に応じて段階的に上昇)—(約定利率に段階的な割合を乗じる方式)

※三菱UFJ銀行は自由金利型定期預金(M型)(スーパー定期)規定(2022年9月12日現在)、ゆうちょ銀行は定期貯金の商品概要説明書(2026年5月18日現在)、SBI新生銀行はパワーダイレクト円定期預金の商品説明書(2026年3月25日現在)に基づきます。最新の内容は必ず各金融機関の公式サイト・商品説明書でご確認ください。

SBI新生銀行のように段階方式をとる商品では、預けてからの期間が長いほど受け取れる利息が増える関係がはっきり数字で示されています。たとえば5年ものの場合、下図のように割合が上がっていきます。

SBI新生銀行の5年もの定期預金の中途解約利率が、経過期間に応じて約定利率の30%から90%まで段階的に上がることを示す棒グラフ
横軸は預入からの経過期間。預けている期間が長いほど、受け取れる利息の割合が上がります(預入期間6か月未満は解約日の普通預金利率)。

中途解約すると利息はどれくらい減る?(試算例)

金額を当てはめて、中途解約でどれだけ利息が変わるかを見てみましょう。ここでは100万円を1年もの定期預金(仮に約定利率 年1.200%・税引前)に預けた場合を、SBI新生銀行が公表している中途解約利率のルール(預入期間1か月〜2年の場合)に当てはめて計算します。利率はあくまで仕組みを示すための仮定値で、実在の商品の利率ではありません。

解約のタイミング適用される利率受取利息(税引前/税引後の目安)
満期(1年)まで預けた約定利率 年1.200%12,000円/約9,562円
約6か月(183日)で解約約定利率×50%=年0.600%約3,008円/約2,396円
約3か月(92日)で解約解約日の普通預金利率(年0.400%で計算)約1,008円/約803円

※税引後は20.315%の源泉分離課税(国税15.315%・地方税5%)を差し引いた概算です。1年を365日とする日割計算で、円未満は切り捨てています。普通預金の利率は三菱UFJ銀行が2026年8月3日に改定した年0.400%を当てはめた仮の数値です。

このように、元本100万円は全額戻る一方で、受け取れる利息は約定どおり満期まで持ち続けた場合よりも大きく減るのがわかります。とくに6か月を過ぎるかどうかで扱いが大きく変わる点は見落とされがちです。「もう少し預けてから解約すれば、より高い割合の利率が適用されて利息が増えないか」を、預入日と中途解約利率の表で確認してから判断することが大切です。

中途解約を検討するときは、次のような観点を商品説明書で確認しておきましょう。

確認する項目見るポイント備考
中途解約利率の決まり方「約定利率×割合」型か「短い期間の利率×割合」型か商品説明書・預金規定に明記
下限となる普通預金利率「解約日時点」か「預入日時点」か金利上昇局面では差が出る
経過期間による違い預けてからの期間が長いほど受取利息が増えやすい6か月・1年などの区切りで段階的に変わる
元本の扱い元本は全額そのまま戻る(目減りしない)外貨預金・仕組預金とは異なる
解約方法ネット完結か、窓口のみか窓口は持ち物の準備が必要

キャンペーン金利の定期預金はとくに注意

同じ「定期預金」でも、中途解約利率の条件は金融機関や商品ごとに違います。一般的な傾向として、金利が高い定期預金ほど中途解約時の条件は厳しめになりがちです。

とくに注意したいのが、キャンペーンの特別金利で預け入れた定期預金です。キャンペーン金利は「その期間預け続けること」を条件に上乗せされているため、中途解約すると上乗せ分が適用されず、通常より低い利率になることが多くなっています。上乗せ後の高い金利だけを見て預け入れると、途中で引き出したときの目減り幅が想像より大きくなりかねません。キャンペーン金利の商品は、申し込む前に中途解約時の取り扱いも必ず読んでおきましょう。

「いつでも解約できるから」と安易に考えず、解約予定日をずらせないか、もう少し預けてから解約したほうが有利にならないかを、預入日と中途解約利率の表で確認してから判断するのがおすすめです。

途中で使うかもしれないお金は、どこに置くか

そもそも「途中で引き出す可能性がある」とわかっているお金は、定期預金以外の置き場所も含めて考えると失敗が減ります。金利が上昇したことで、それぞれの選択肢の性格の違いがはっきりしてきました。

  • 普通預金:いつでも出し入れできます。三菱UFJ銀行は2026年8月3日に円普通預金金利を年0.300%から年0.400%へ引き上げました。かつてのように「普通預金はほぼ利息が付かない」という前提は当てはまらなくなっています。
  • 定期預金:普通預金より高い利率で預けられますが、途中で解約すると本記事のとおり利率が下がります。1か月・3か月といった短い預入期間を選び、満期のたびに預け替えるという使い方もあります。
  • 個人向け国債:元本保証で年0.05%の最低金利保証がありますが、発行から1年間は中途換金できません。1年経過後に換金する場合も、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が「中途換金調整額」として差し引かれます(財務省)。

「利率の高さ」だけでなく「途中で引き出したときにどうなるか」をそろえて比べるのが、預け先選びのコツです。

定期預金の解約方法は?

インターネットで預け入れた定期預金は、インターネットバンキングやアプリの画面からそのまま解約できることが多いです。一方で、商品や預け入れ方法によっては窓口でしか解約できないケースもあります。窓口で解約する場合は、金融機関の営業時間内に「通帳(または貯金証書)」「届出印」「本人確認書類」を持参して来店する必要があります(必要書類は金融機関により異なります)。

なお、インターネットバンキングでの解約には、預入日当日は解約できないといった商品ごとの制限が設けられている場合もあります。

預け先を選ぶときは、金利だけでなく解約のしやすさも確認しておくと安心です。たとえばSBI新生銀行は、中途解約利率を預入期間・経過期間ごとに段階的に公表しているため、預け入れる前に「途中でやめたらいくらになるか」を確認しやすい商品設計になっています。店舗とオンラインの両方に対応しており、来店せずにインターネットバンキングやアプリから手続きできる点も、まとまった資金を預けるうえでは実用的な選択肢といえるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 中途解約すると元本は減りますか?
A. 通常の円定期預金であれば、中途解約しても元本は全額戻ります。減るのは利息(適用利率)だけです。ただし「仕組預金」など一部の商品は中途解約できなかったり元本割れする場合があるため、商品の種類を必ず確認してください。

Q. 「約定利率×○○%」の○○%は、どこで確認できますか?
A. 商品説明書(商品概要説明書)の「中途解約時の取扱い」や、預金規定の利息の項目に記載されています。多くの金融機関が公式サイトでPDFを公開しているので、預け入れる前に目を通しておくと安心です。

Q. 預入から6か月未満で解約すると、どうなりますか?
A. 三菱UFJ銀行・SBI新生銀行では解約日の普通預金利率、ゆうちょ銀行では預入日時点の通常貯金の利率が適用されます。いずれも普通預金並みの利率まで下がるため、定期預金に預けた意味がほとんどなくなります。数か月以内に使う予定があるお金は、はじめから普通預金や短期の定期預金に置いておくほうが無難です。

Q. 一部だけ解約することはできますか?
A. 一部解約に対応している金融機関もあります。たとえば三菱UFJ銀行のスーパー定期では、預入日の1年後の応当日以後であれば一定の範囲で元金の一部を解約できますが、解約した部分には期限前解約利率が適用されます(残った部分は預入時の利率がそのまま続きます)。対応の可否と条件は金融機関にご確認ください。

Q. 金利が上がってきたので、今の定期を解約して高い金利に預け替えるべき?
A. 中途解約すると利息が中途解約利率まで下がるため、乗り換えで増える利息と、中途解約で減る利息を差し引きで比べる必要があります。満期が近い場合は満期を待ってから預け替えるほうが有利なことも多いので、あわてて解約せず試算してから判断しましょう。

Q. 定期預金は預金保険(ペイオフ)の対象ですか?
A. 円定期預金は預金保険の対象です。万一金融機関が破綻しても、1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息等が保護されます(決済用預金は全額保護)。複数行に分けておくと、より安心です。

今回は、定期預金の中途解約利率・期限前解約利率の決まり方と、解約方法についてご紹介しました。金融機関ごとに計算の型が違うこと、そして6か月という区切りが大きな分かれ目になることを覚えておくと、預け先選びと解約のタイミング判断に役立ちます。こちらの記事では具体的な計算方法も紹介していますので、あわせてご参考ください。


関連記事


定期預金(1年未満)金利比較ランキング


おすすめ記事

過去の記事