マイナス金利から「金利のある時代」へ|預金金利はどう変わったか【2026年7月】

かつて「歴史的な低金利が続く」と言われた日本の金利環境は、ここ数年で大きく様変わりしました。日本は長く続いたマイナス金利政策を終え、再び「金利のある時代」へと入っています。預金金利も底ばいから上昇へと転じ、預け先選びの意味が改めて見直されています。本記事では、金利マーケットがどう変わったのかを振り返りつつ、これからの賢い預け先の考え方を整理します(金利・条件は2026年7月時点の情報です)。
目次
「マイナス金利時代」から「金利のある時代」へ
日本銀行は2016年1月にマイナス金利政策(日銀当座預金の一部にマイナス0.1%)を導入し、その後しばらく超低金利が続きました。住宅ローン金利が過去最低を更新し、銀行の預金金利も大きく引き下げられたのはこの時期です。
しかし潮目は変わりました。日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除(17年ぶりの利上げ)し、その後も段階的に利上げを続けています。2026年6月16日には政策金利を1.0%程度へ引き上げ、これは1995年以来およそ31年ぶりの高水準となりました。物価上昇への警戒を背景に、日本はいわゆる「金利のある時代」に本格的に入っています(最新の金融政策は日本銀行の公式サイトでご確認ください)。
預金金利も上昇局面に
かつてメガバンクの円普通預金金利は、見事なまでに横並びで年0.001%まで下がっていました。年0.001%では、100万円を1年間預けても受け取れる利息は税引前でわずか10円ほど。ATMの手数料を払えばむしろ減ってしまう――そんな水準だったのです。
ところが利上げ局面に入り、預金金利の引き上げが相次いでいます。三菱UFJ・三井住友・みずほの3メガバンクは、円普通預金金利を2026年8月3日から年0.400%へ引き上げます(それまでは年0.300%)。三菱UFJ・三井住友にとっては、合併前の旧行時代の1992年8月以来およそ34年ぶりの水準です。りそな銀行・三井住友信託銀行も同様に年0.400%へ引き上げる予定で、定期預金の金利も全体として上昇しています。
| 銀行名 | マイナス金利時代 (2016〜2024頃) | 現在(2026年) |
|---|---|---|
| 三菱UFJ銀行 | 年0.001% | 年0.400% (2026年8月3日から。それまで0.300%) |
| 三井住友銀行 | 年0.001% | 年0.400% (2026年8月3日から。それまで0.300%) |
| みずほ銀行 | 年0.001% | 年0.400% (2026年8月3日から。それまで0.300%) |
※円普通預金金利(税引前)。各行公表にもとづく(2026年7月時点)。最新の金利は各行公式サイトでご確認ください。
同じ100万円を1年間預けても、年0.001%なら利息は約10円(税引前)、年0.400%なら約4,000円(税引前)と、受け取れる利息は大きく変わります。「預けても増えない」時代から、預け先しだいで差がつく時代へと移ってきたと言えるでしょう。
安全資産の利回りも改善=個人向け国債という選択肢
金利上昇の恩恵は預金だけではありません。元本割れを避けたい人に向く「安全資産」の代表格である個人向け国債も、利回りが着実に改善しています。財務省が募集する2026年7月募集分の初回適用利率は、変動10年=年1.80%、固定5年=年1.95%、固定3年=年1.56%(いずれも税引前・7月3日発表)。固定5年は過去最高水準です。個人向け国債は1万円から購入でき、発行から1年経過すれば中途換金も可能です。「少しでも有利に、しかし安全に」というニーズに、定期預金と並ぶ選択肢として検討する価値があります(利率・条件は必ず財務省の個人向け国債ページでご確認ください)。
「横並び」は変わらない=預け先の比較が大切
金利が上がっても、メガバンク同士はやはり横並びの傾向が強いままです。一方で、ネット銀行や信託銀行は、より高い金利や期間限定のキャンペーンで預金を集めようとしています。同じ「元本保証の円預金」でも、どこに預けるかで受け取れる利息に差が出るのが今の環境です。
たとえば三井住友信託銀行は「夏の定期預金キャンペーン」として、新型定期預金〈グッドセレクト(固定型)〉を対象に、5年ものの円定期で最大年2.20%(税引後で年約1.753%)の特別金利を提示しています(金利適用期間2026年7月1日〜8月31日、新たな資金で500万円以上を預け入れる個人などが対象・所定の条件あり)。SBI新生銀行でも、SBIハイパー預金による円普通預金の金利優遇や、円定期預金のキャンペーンを実施する例があり、店頭とオンラインの両方で手続きできる利便性も魅力です。いずれも適用条件・対象金額・期間が決まっているため、利用する際は必ず各行公式で最新の内容を確認してください。
元本保証で少しでも有利に預けるには
「貯蓄から投資へ」という言葉のとおり、株式・投資信託や外貨預金は、円預金より高いリターンが期待できる一方で元本保証ではなく、資産価値が目減りするリスクがあります。元本割れを避けたい人にまず検討してほしいのは、より金利の高い円預金・円定期預金やキャンペーン、個人向け国債などの安全資産を探すことです。手間のわりに条件はそれほど難しくないことも多く、堅実に利息を増やす第一歩になります。
あわせて押さえておきたいのが預金保険制度(ペイオフ)です。万一、預け先の金融機関が破綻しても、1金融機関あたり預金者1人につき元本1,000万円までとその利息が保護されます(決済用預金は全額保護)。まとまった資金は預け先を分けることで、より安心して高めの金利を狙えます。
よくある質問(FAQ)
Q. 金利が上がる局面では、長期の定期預金にまとめて預けてよいですか?
全額を1本の長期定期に固定してしまうと、その後にさらに金利が上がっても満期まで動かしにくくなります。今後の追加利上げの可能性も指摘されているため、預入期間や満期時期を分けて「上がったら預け替えられる余地」を残す方法(満期の分散)も検討すると安心です。将来の金利は誰にも断定できないため、あくまで分散でリスクに備える考え方です。
Q. 普通預金と定期預金は、どう使い分ければよいですか?
当面の生活費や、いつ使うか分からない資金は、出し入れが自由な普通預金が向きます。当分使う予定のないまとまった資金は、より金利の高い定期預金やキャンペーンに預けると利息を増やしやすくなります。定期預金は中途解約すると利息が大きく減る点に注意し、使う予定の時期に合わせて預入期間を選びましょう。
なお、預金金利やキャンペーンは時点によって変わります。本記事の金利はいずれも2026年7月時点の情報です。実際に預け入れる前に、必ず各金融機関の公式サイトで最新の金利・適用条件をご確認ください。
当サイトでは、企業努力によってより金利の高い円定期預金を提供している銀行を比較・紹介しています。大切なご資産を少しでも有利に、そして安全に預けるための参考にしていただければ幸いです。
















