愛媛銀行・トマト銀行・香川銀行など地方銀行の定期預金に注目
生き残りをかける地方銀行
インターネット専業銀行の台頭、ゆうちょ銀行の利便性の強化、様々なフィンテックサービスの登場と多くのIT技術とサービスの革新が進み今や日本のどこに住んでいても最新の銀行が利用できるようになってきています。その結果、これまでのように「地方に住んでいる人は地銀を利用する」という常識が崩れ若年層を中心にインターネット銀行の利用がどんどんと進んでいます。もちろん、「インターネット銀行だから」という理由でその銀行を利用することはありません。これまでネット銀行には見向きもしなかった地方在住の多くの人たちが、「地方銀行」と比較してどちらが優れた銀行サービスを提供しているのかを比較検討するようになってきており、その結果「インターネット専業銀行」が選ばれていると考えなければなりません。
さらに追い打ちをかけるように政府・日銀によるマイナス金利政策が銀行の収益力にマイナスの影響を与え、地方銀行は顧客基盤・収益性共に非常に苦しい状況に陥りつつあります。苦し紛れにフィンテック企業に資本を入れたり、提携したりしている地方銀行が乱立していますが、それにより成果があがったという声はほとんど聞きません。新しい技術を取り入れる前に、銀行としての基礎サービスを見直さなければ地方銀行に未来はないのでは・・・と感じる今日この頃です。
ネット支店専用の定期預金
そんな中、地方銀行の中にはインターネットを活用して自行の営業エリア外から資金を集めようという動きを積極的に行っている銀行もあります。いわゆる「ネット専用定期預金」ですね。定期預金はシンプルに高金利であればあるほど良いわけですので、そのような取り組みは一定の成果があがっているようです。ポイントは、インターネットを通じて全国どこからでも利用することができるということです。静岡銀行を代表として、愛媛銀行・トマト銀行・香川銀行などが代表的な銀行です。
例えば、愛媛銀行のインターネット専用支店である四国八十八カ所支店の場合、100万円限定で1年もので年0,3%のだんだん定期預金という商品を取り扱っています。他にも、トマト銀行の「ももたろう支店」でもネット専用のスペシャルきびだんご定期預金という商品があり、おなじく1年もの、100万円限定で年0.25%、香川銀行でもおなじような条件で年0.25%の定期預金を提供しています。
取り組みの方向性は大変よくわかりますが、、、ちょっと中途半端ですね。100万円が上限ということは1年後の利息は税引き前で2500円~3000円。もちろん、通常の定期預金より高金利であることは間違いありませんが、ネット銀行も同等またはそれ以上の金利を提供してきていますので、「その地方に関係のない人」や「過去に関係あったけれども今は移住してしまった人」の資金を獲得するには、もう1段魅力を高めてほしいところですね。
地方銀行がインターネットや新技術をどう取り込みどう生き残っていくのか。当サイトでも定期預金を中心に地方銀行の取り組みについて注目していきたいと思います。